平成18年 6月 定例会 平成18年6月
宮古市議会定例会会議録第2号第2号平成18年6月12日(月曜日
)---------------------------------------議事日程第2号 日程第1 一般質問 22番 松本尚美君 ・新市再生の柱である
産業振興策について…40 ・建設産業の振興策について 19番 田中 尚君 ・構造改革下の市政運営について……………52 ・タラソ施設の指定管理について ・国保事業について 27番 中嶋 榮君 ・
住民基本台帳カードの利活用について……63 ・産業の活性化について 15番 加藤俊郎君 ・市税収納について……………………………72 ・田老地区の街路灯について 14番 坂下正明君 ・食育の推進について…………………………79 ・地産地消・有機栽培の推進について
---------------------------------------本日の会議に付した事件 上記日程のとおり出席議員(30名) 1番 高屋敷吉蔵君 2番 山口 豊君 3番 宇都宮勝幸君 4番 工藤小百合君 5番 千束 諭君 6番 田頭久雄君 7番 佐々木松夫君 8番 千葉胤嗣君 9番 横田有平君 10番 崎尾 誠君 11番 山崎時男君 12番 坂本悦夫君 13番 本田賢三君 14番 坂下正明君 15番 加藤俊郎君 16番 近江勝定君 17番 佐々木 勝君 18番 城内愛彦君 19番 田中 尚君 20番 茂市敏之君 21番 藤原光昭君 22番 松本尚美君 23番 阿部 功君 24番 佐々木武善君 25番 竹花邦彦君 26番 前川昌登君 27番 中嶋 榮君 28番 中里榮輝君 29番 長門孝則君 30番 三上 敏君欠席議員(なし
)---------------------------------------説明のための出席者 市長 熊坂義裕君 助役 山口公正君 教育長 中屋定基君 教育部長 沼崎幸夫君
総務企画部長 畠山智禎君 総務課長 廣田司朗君 企画課長 吉水 誠君 財政課長 佐々木達雄君
教育総務課長 石村幸久君
上下水道部長 祝田健二君
水道事業所長 須田永治君 会計課長 伊藤博俊君
田老総合事務所長 大棒賢作君
新里総合事務所長 坂本邦雄君
市民生活部長 中嶋敏孝君
総合窓口課長 杉村 憲君
保健福祉部長 坂本惠子君
国保田老病院事務長 上屋敷正明君
産業振興部長 制野忠彦君 商工課長 嶋田宗治君
都市整備部長 高橋秀正君 建設課長 佐藤省次君 危機管理監 中屋鋭彦君 観光課長 小笠原昭治君 税務課長 大久保康雄君 水産課長 金沢栄基君 農業課長 大上福蔵君
田老産業振興課長 佐々木孝一君
学校教育課長 笹川 正君
---------------------------------------議会事務局出席者 事務局長 清水 登 次長 上居勝弘 主事 山崎俊幸 速記員 駒井和子
△開議 午前10時00分 開議
○議長(三上敏君) ただいままでの出席は30名でございます。定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
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△日程第1 一般質問
○議長(三上敏君) 日程第1、一般質問を行います。順次質問を許します。 22番、松本尚美君。 〔22番 松本尚美君登壇〕(拍手)
◆22番(松本尚美君) 新市発足初選挙後の初議会において1番目に一般質問の機会を得まして、身の引き締まる思いと同時に、市民、有権者の負託にこたえるべく責任の重さも痛感しているところであります。 地方自治体、地域、まちが形成され存続するための最も基本的要件である経済、雇用の課題解決について、合併協議の中で地場・地域産業の振興施策の展開が最優先すべきものとの位置づけができたことに、大いなる評価とともに大いなる期待感を持つものであります。 がしかし、一方で、当市経済の起死回生を図るべく
ラストチャンスとも言える今日にあって、また施策の実行、実施、展開が本当に図られるのか、成果が上げられるのか、一抹の不安以上に大いなる危惧を覚えるところでもあります。 私は、先般の議員選挙におきまして、市民、有権者に対して、今任期4年間の議員活動において、新市再生の柱である産業振興について全力で取り組むことを表明いたしました。本日の一般質問は引き続きになりますが、心機一転、新たなスタートとの思いで質問をさせていただきますので、市長並びに責任ある幹部職員の皆様と実りある質疑ができますよう念じてやみません。どうぞよろしくお願い申し上げます。 当市の経済・雇用・産業全般においては、今さら申し上げるまでもなく、一部業種を除いて大変厳しい状況にあることは、ご承知のことと思います。もしもその認識に違いがあるとすれば、どの程度厳しいと感じているかの違いであり、このまま推移することで現実に倒産、廃業に追い込まれることと、地域、まちが崩壊することを身をもってとらえられるかどうかであります。みずから経済活動の前線で体感している者とそうではない者との違いは、当然あるものと理解をいたしますが、ぜひとも痛みを限りなく共有した上で、事業、施策の組み立て、実施、展開を願うものであります。 国においては、また報道においては、大企業、銀行等、中央部、大都市は増収、増益、戦後最長の「いざなぎ景気」をしのぐ景気回復が続き、経済成長率も上方修正をしなければならないと発表、報道がされております。 がしかし、当市の状況はいかがでしょうか。下げどまるどころか、ますます奈落の底にもがき苦しむ状況であります。人口減少に伴う需要の減少、需要減少に伴う
売り上げ減少、競争激化による利益の大幅な減少、行政主導による公共事業、物品調達等の
コスト無視の入札。ふえ続けるのは税負担と累積赤字、そして借入金、そして担保物件と保証人。 負債を抱えず事業継続を断念でき得る事業者は、一日も早い廃業を望み、過大な負債を抱える事業者は、いつ返せるともわからない不安を抱えながらその日を暮らしております。頭の中は、資金繰りと倒産、破産、家庭崩壊の文字が渦巻いて、とても希望を持って事業継続を図れない状況の経営者が日増しに多くなっております。最後は生命保険か。 ヒルズ族に象徴される格差社会の出現は、何も大都市だけではありません。当市においても同様のことがあらわれてきております。納税額が東北において上位を占める市民がいる一方、生活扶助を受けなければならない市民の率が内陸の3倍という現状。 市長は就任時、福祉最優先の施策展開を市政の柱とすることを表明いたしました。後に、他の分野に対して最優先することではなく、気持ちとして最優先するものと説明されました。選挙戦略、戦術として福祉最優先を打ち出したことは、今は理解できる部分もありますが、自分が市長だったからこの程度の落ち込みで済んでいると今現在も思っておりますでしょうか。当市の経済、雇用の状況、産業の不振は、日本全体が悪い状況では力の及ぶところではなくやむを得ない。経済は民間の問題である。こういう状況の中にあっても沿岸ではまだよい方であって、市内業者は頑張っているとの認識は、今でも変わっていないのでしょうか。改めて熊坂市政9年の評価と所感をお伺いし、質問通告に従い順次質問をいたします。 1点目として、
新市再生計画と言っていい総合計画の柱である最重点の
産業振興施策の中から、産業振興の拠点としての仮称「宮古、
下閉伊地域産業振興センター」の設置についてお伺いをいたします。 当初、この
センター整備事業は、平成17年度に事業費5,000万円で立ち上げると説明がありました。その後、総合計画(実施計画)の中で名称が「
産業振興センター整備事業」と変更になり、実施年度が平成18年度、事業費3,700万円、20年度に1,300万円と先送りになっております。加えて、平成18年度実施が、さらに予算計上も説明もないままに、いつになるのかわからないまま先送りになってしまっております。事業費の内容は、改修工事、備品購入とだけ説明が付されており、最
重点施策事業と位置づけているにもかかわらず、実施年度もわからず、総事業費も見えず、市長のやる気を疑わずにはいられません。地域振興の起爆剤となり得るバラ色の事業として、政治生命をかけ、不退転の決意を持って事業を進める。 宮古市に甚大な損害を与え、市民、議会に多大な迷惑をかけたが、施設を完成させ、健全に経営を軌道に乗せることで責任を果たしたいとした
出崎開発事業、シートピアなどと比較し、なぜに熱意、決意が伝わってこないのか、なぜに
トップリーダーを自認する市長のリーダーシップが発揮されないのか。 この
センター整備事業は、
文字どおり当市の産業振興の
中核総合支援センターとして、人づくりの拠点、
出前型個別相談、
貸し工場等の複合的な機能を持たせることとあわせ、連携、高
付加価値型産業の形成のために、
産学官連携、
地域ブランドの創出等、多岐にわたる施策展開を担うセンターとして方向づけが明確に示されております。 市民、事業者が希望を持って、現状打破の生きる夢と希望を持って頑張れる、まさに命をつなぐ施策事業であります。加えて、地域再生の、そして次代をつなぐ子供たちの将来と宮古市が存続できるかどうか、成果によっては命運がかかっている大事な施策事業であると言っても過言ではありません。 当市の産業構造は、素材生産を担う
農林水産業、そして加工産業、
最先端レベルと言われる
コネクター金型産業、自然景観や産業を生かした体験、交流も含めた観光産業、産業活動や生活住環境、
公共サービス提供の
施設整備等、民間も含めた
インフラ整備を担う建設産業、そして住民ニーズにこたえる商業、
サービス業等の複合構造であります。バランスよく成長、発展するためにも、雇用を拡大し人口減少の下げどまりを図るためにも、一日も早い事業の立ち上がりが望まれております。 センターの整備の実現はいつになるのか、整備時期、投入する総事業費、具体的な組織体制、人員配置等も含め、今後、おくれを取り戻すべく日程、工程はいかなるものか、お伺いをいたします。 2点目に、総合計画の中の
工業振興策について、前段と関連することとは思いますが、あえてお尋ねをいたします。 私は、改選前の3月
定例会一般質問において、地元企業、地場産業を人材も含め最優先すべきと、その考えを伺った際、趣旨を誤解したものとは思いますが、他地域にあるすぐれた人材や技術を活用し、異業種、異地域の風を入れることでプラスの効果が期待できるものであれば、人材や技術の移転も進めるべきとの答弁をいただきました。総合計画の中の
工業振興策の施策展開において、
既存工場適地の整備や新たなる工場団地の調査、検討を行うなど、積極的な企業誘致の推進を念頭に置いてのお答えと理解しておりますが、明確に示している以上、早急にその施策を具体化すべきと考えます。現在既に進行しているものと思いますが、進行していないとすれば、今後どのような日程、工程で推進、具現化されるのかお伺いをいたします。 3点目に、市長は昨年の選挙において、またその以前、以後において、合併は目的ではなく手段である。合併をなし遂げた市長として、
新市建設計画を実行する責任がある。加えて、
マニフェスト、公約とも明言をいたしました。3月の答弁において、産業振興は新公共経営の考えを取り入れることで図れるともお答えになっております。単に事業を実現する、実施することではなく、成果主義への転換を図り、成果、結果を求めるため、それぞれの産業振興の分野において8つの施策方針を示し、計画の将来指標や目標数値を設定すると明言をいたしました。 私の手持ちの計画書の主な数値目標を合計すると、平成22年度に達成できるとする金額は年間96億円増であります。市長の資質、力量からいって控え目な数字ではないかと思いますが、達成は間違いないものと確信をいたしておりますが、達成に至るプロセスと公約としての決意をお伺いいたします。 最後に、建設産業の振興策についてお伺いいたします。 建設産業の状況は、冒頭申し上げたとおり、奈落の底にもがき苦しみ、倒産か破産か生命保険かの選択を迫られている代表的な産業であります。多年にわたる公共事業の大幅な減少、
コスト無視の発注、民間投資の減少、競争激化によって、存亡の危機にあります。 建設産業は、今日まで長年にわたり当市の経済、雇用に貢献し、発展の一翼を担ってきたものと認識しております。現状においても、就業人口に占める割合は11.7%と比較的大きい数字を占めており、すそ野の広い総合的な産業構造を有しております。また、建設産業は、
農林水産業を初め他の業者においての収入を補完し、
出稼ぎ解消等雇用の受け皿となって支えてきました。
各種施工管理資格、
技能資格取得等人材育成、労働環境の改善、退職金制度の導入、そして臨時雇用から福利厚生の伴う正規雇用への転換等、国・県の指導に沿って、3K、5Kとも言われる産業からの転換を図ってまいりました。 しかし、今現在、何の好転の兆しも見えず、本年に入ってからも有力な事業者が破産、廃業に追い込まれました。ここ数年、リストラも含め300人とも400人とも言われる方が職を失い、仕事を求めております。市長は、建設産業の現状をどのように認識し、今後どのような対策が必要と考えているのか、お伺いをいたします。 以上、壇上からの質問を終わらせていただきます。再質問は自席にて行います。(拍手)
○議長(三上敏君) 熊坂市長。 〔市長 熊坂義裕君登壇〕
◎市長(熊坂義裕君) ただいまの
松本尚美議員のご質問のうち、私からは、新市振興の柱であります
産業振興策についてのご質問にお答えいたします。 初めに、仮称でありますが「宮古・
下閉伊地域産業振興センター」に関するご質問にお答えいたします。 センターの機能といたしましては、出前型の経営全般にわたる相談業務、技術、技能、品質管理などの幅広い研修による人材の育成、新製品開発の支援、異業種間交流や
産学官連携の推進、企業への情報提供、加えて貸し工場による
新規創業者支援などが考えられます。さらに、センターを活用した
岩手大学工学部との連携による
宮古サテライトの開設、岩手県
工業技術センターの巡回相談による支援などが考えられます。 来年4月には、松山の
岩手県立宮古高等技術専門校に金型技術科が新設されることになっておりますことから、同科との連携も視野に入れながら、産業界を中心とする
検討専門委員会でセンターの機能や業務内容等を議論していただき、来年度の開設を目指してまいります。 次に、工場用地の整備についてのご質問にお答えいたします。 企業誘致や地域企業の移転、増設の受け皿となる市内の工場用地は、岩手県が整備した
藤原ふ頭工業団地、工場立地法に基づく
田鎖工業適地、田老地区にある
農業地域工業等導入促進法に基づく
宮古水産加工団地があります。これらの工業用地のうち現在立地可能な用地は、
藤原ふ頭工業団地13.9ha、
田鎖工業適地が2.1haでありますが、このうち
田鎖工業適地は民有地であり、基盤整備が整っていない状況となっています。企業誘致の促進を図るためには、工業用地を確保していることが重要でありますことから、全市域の工業用地の適地調査もあわせて行ってまいります。 次に、宮古市総合計画の産業振興の目標値についてのご質問にお答えいたします。 平成18年4月に策定されました宮古市総合計画は、平成26年度を目標年次とするもので、「自然とともに生きる
まちづくり」、「健やかで心豊かな人をはぐくむ
まちづくり」、「多様な産業が結びつき力強く活動する
まちづくり」を基本的な方向として掲げてあります。分野別には、「
三陸沿岸拠点都市としての基盤形成」、「活力に満ちた
産業都市づくり」、「安全で快適な
生活環境づくり」、「循環を基調とし、人と自然が共生する
地域づくり」などの8つの施策の方向性を定めています。 宮古市の産業は、恵まれた自然を利用した第一次産業、そしてこれら農林水産物を加工する第二次産業、さらには古くから交易のまちとして商業も発達してまいりました。一方、工業の分野では、港湾を活用した
重化学工業、木材産業、さらには近年、
金型コネクター産業などが新たに発展してまいりました。また、昭和30年の
陸中海岸国立公園の指定を契機として、観光産業もすそ野の広い産業に成長し、地域経済に大きな影響を持つようになっております。 このように、宮古市の産業の特徴は、地域経済を支える業種が多様であること、業種間の関連性が非常に強いことでありますので、今後の産業振興の考え方として、宮古市総合計画において「多様な産業が結びつき力強く活動する
まちづくり」との基本的な方向性を打ち出しているように、一つ一つの産業分野で活力をつくり出し、総合力として地域経済の成長を目指していくべきものと考えております。 今後も、議員ご指摘の宮古市総合計画の将来目標値を達成できるよう全力で取り組んでまいります。 以上、答弁といたします。 なお、建設産業の振興策につきましては、
都市整備部長から答弁をさせます。
○議長(三上敏君)
高橋都市整備部長。 〔
都市整備部長 高橋秀正君登壇〕
◎
都市整備部長(高橋秀正君) 建設産業の振興策についてお答えをいたします。 建設業を取り巻く環境は、景気の低迷、公共工事や民間需要の減少などにより、この数年、急激な変化に見舞われており、宮古市においても建設会社の倒産や廃業も相次いでおります。建設業は、地場産業として、また
社会資本整備の担い手として、地域経済や雇用の促進に重要な役割を果たしてまいりました。また、市の産業全体に占める建設業の就業人口も、約11%、約3,000人が就業しており、今後においても建設業の果たす役割は重要であります。 建設業の産業振興につきましては、基本的には宮古市総合計画を着実に実施することによる産業の振興が、ひいては建設業の振興に資するものと思っております。市はこれまで、宮古市
中小企業振興資金による融資や
市営建設工事の分離・分割発注、年間を通じての発注の平準化による受注機会の確保の施策を実施してまいりました。 本年度につきましては、特にいわゆる端境期と呼ばれる4月から6月の間に、
市営建設工事全体の50%を前倒し発注することにしております。また、
三陸縦貫自動車道、宮古道路の起工式が3月5日に行われるなど、
宮古盛岡横断道路、宮古西道路の整備促進とあわせ、その事業効果が期待されているところでもあります。 一方で、建設業には、公共工事の数に依存しない経営体質の強化も求められており、岩手県が平成12年3月に策定した新
岩手建設業振興指針、平成15年3月策定の
建設業振興緊急アクションプログラム、また、それに続く本年度からの
建設業対策中期戦略プランにおいても、新分野への進出、業種転換、企業間連携、
経営統合等の経営革新への支援など施策の方向性が示され、
宮古地方振興局には、去る5月22日から
宮古地域建設業総合相談センターも設置されました。 市は、今後とも県の施策と連携するとともに、
市営建設工事の発注に際しましては、受注機会の確保や
入札契約制度のよりよい改善を行いながら、建設業の振興に努力してまいります。 以上、答弁といたします。
○議長(三上敏君) 松本尚美君。
◆22番(松本尚美君) ご答弁をいただきましたが、トータル的には、いかに一般質問がトータル的なやりとりということであっても、余りにも大ざっぱ過ぎる、そのような印象を改めて持ちました。 そこで、再質問という部分も当然ありますけれども、お答えいただいていない部分も多々ございますので、順次確認、そして再質問をしていきたいと思います。 まず、壇上でも申し上げましたが、市長の市政を担ってこられたこの9年間、当然、私も壇上で申し上げました部分と関連しますが、私は、市長ひとりの責任という部分を言っているわけではありませんが、9年前にさかのぼって、何回か以前にも申し上げましたが、市長は、暗いトンネルに入ってしまった閉塞感漂うこの宮古市を、何とか自分が市長の座に着いた後、改善をしていきたい、そのようにお話しになったわけであります。私の理解では、当時からこの閉塞感はやはり経済、そして雇用、その他あるかと思いますけれども、そういった雰囲気を敏感に察知されてお話しになったもの、市民にお約束を含めてされたものというふうに理解しております。 そこで、この9年間の市長の現在に至るまでの、また、現状においての経済、雇用がどういう状況であるかという認識を改めてお尋ねしたいと思います。
○議長(三上敏君) 熊坂市長。
◎市長(熊坂義裕君) 宮古市は昨年6月6日、合併をいたしました。新宮古市としてスタートしたわけですけれども、その柱といたしまして、産業振興と子育て支援というものを掲げさせていただきました。 この産業振興につきましては、一番市民の願いがここにあるというふうに思っております。私も旧宮古市長として2期8年、そして新宮古市長といたしまして、
マニフェストの中でも産業振興を強く訴えさせていただきました。 間もなく7月で9年目になりますけれども、この間の9年でやってきたことについての感想を述べよということでございますけれども、私は、宮古市としては、これは当然市民の頑張りということになるかと思いますけれども、いろいろな指標を見ましても、民力、あるいは産業、いろいろなその指標を見ましても、宮古市のこの人口規模にふさわしい活躍を市民の皆さんは努力されてきたのではないかというふうに思っております。 大変、雇用環境も厳しいわけですけれども、本当はまだ厳しいのですけれども、一番新しいデータにおきましても、沿岸地区の
有効求人倍率、県北の二戸も入れて5のハローワークの中では、0.49と低いですけれども、5市の中では一番高いということでございます。また、民力も沿岸5市の中では断トツで宮古市が1番ということでございますので、そういった中におきましては、もちろんこれは私も本当に最大の努力をしてきたつもりでおりますけれども、最大の努力は、何といっても市民の皆さんがここに努力をされてきて、今の宮古市があるのではないかと思っております。 行政でできることはもちろん限られておりますけれども、産業振興ということで、さまざまな市民の各層、各団体の皆様方に
新市建設計画におきまして検討していただいておりますので、それを着実に実行していくことが大事だというふうに思っております。 県北沿岸、これは格差ということで県でも大きな政治課題になっておりますけれども、私は、この9年間やってきてつくづく思うのは、やはり基盤整備、特に道路、あるいは交通の問題、この基盤整備がやはりおくれたことが最大の原因ではないかというふうに思っております。 その証拠に、昭和50年前後ですけれども、これは東北縦貫自動車道、それから東北新幹線が開通した時期に当たるわけですけれども、それまでは沿岸と内陸の工業出荷高は同じでございました。それが現在、3倍から4倍の格差が出ているということにつきましては、市民の皆さんは本当に頑張っていただいておりますし、私ども市役所も頑張っておりますが、これは私どもの頑張り以前の問題ではないかと思います。そういった同じ土俵に立てていないということが、やはりこの現在の格差を生んでいるのではないかと思います。その中におきまして、宮古市は県北沿岸の一応トップの市として頑張っているのではないかと思います。
○議長(三上敏君) 松本尚美君。
◆22番(松本尚美君) 改めて市長のこの9年間、全体的な沿岸、宮古市地域でありますけれども、所感も含めてお話をいただきました。内陸と沿岸の格差が最終的には出たのは、交通道路関係というふうに分析をされているようでありますが、同じ土俵にないということは、私もそのとおりだと思います。だからこそ、私は、別な意味で今回、この合併によるこの
新市建設計画の中における
産業振興策、そしてそれを官民一体、場合によっては産学官一体となってこの地域をどうしていくか、そういった知恵も、汗もかかなければならない。そういった意味で大事な部分だと思うのです。 ですから、その沿岸県北、そして内陸との格差というのは、これは当然、今すぐにどうこうなるものではないと思います、私も。がしかし、前段言いましたように、この計画を持って、そして一歩でも二歩でも前に進むためにはどうすればいいのか、そこがやはり私は、行政、そしてこの宮古市の
トップリーダーである市長の力量、資質が問われるものだというふうに思います。 市長はそう言いながら、市民の個々の努力の結果によって何とか沿岸でもまだいい方の経済の雇用の状況を維持していただいている、確保していただいている、そのような認識をお持ちだというふうに思いますが、私は、市長が壇上でも言いましたように、出崎開発にかける意気込み、それに比較して、きょうの答弁もありましたけれども、熱意が感じられないのです、この振興センターの立ち上げについても。 ちょっと飛び飛びになりますが、お尋ねしているのは、設置時期も含めて、トータル的な総事業費といいますか、この産業振興分野にかける、またそのセンターにかける総事業費、こういったものも見えてこないのです。 私は、組織も含めて、やはり形から入るのももちろん大事でありますし、いいのかもしれませんが、形をつくると同時にこの組織をどうしていくか、やはりそこの運営、そして知恵も含めて、コーディネーター役でも当然、市の職員はあるわけでありますが、そういった人員配置をどうするか。この八百数十人の市の職員をどういう形で、人数をどういう割り振りをして、そこに総事業費としてどれぐらいかけていくんだ。ここのまず全体像も見えない、そのように思うのです。とすれば、逆に言って、本当に市長は危機感を感じているのかどうか。現状認識は、大変だけれども市民が頑張っているんだ、行政の役割は限られている、そういうふうにしか聞こえないのです。 まず、次にお伺いしたいのは、こういった事業を立ち上げる中に、当然スタッフも必要なのです。そのスタッフが現在どういう体制になっているのか。そして、今の体制でそのままいくのか、いかないのか。私は、当然できないと思います。しかも、産業振興部の優秀なスタッフをタラソの施設に張りつけて、もう半年以上経過しているわけです。ですから、現状の体制、そして立ち上げるまでの体制、そしてそれからの体制をどのようにしていくのか、そこのビジョンも、何も私の質問に答えていないのです。そこの点について、改めてご答弁をお願いします。
○議長(三上敏君) 熊坂市長。
◎市長(熊坂義裕君) 熱意を持ってやらせていただいているつもりですので、熱意を感じていないということは、松本議員が感じていないのであって、私はいろいろな方々に産業振興につきましては頑張っているということを言っていただいております。何よりもその証拠に、産業振興につきましては、各界におきまして宮古モデル、これは工業振興のモデル、特に金型コネクターでございますけれども、宮古のような形の工業振興というのは、これから北上、花巻に次いで非常に勉強すべきものであるといういろいろな報告をしていただいております。現に金型コネクターに関しましては、現在、ヒロセ電機を中心に宮古広域で1,400人の雇用がありまして、この業界といたしましては、生産の技術、レベルとも世界トップレベルということで、さらに発展する可能性があるということを言っていただいております。 産業に関しましては、当然、民間の皆さんの頑張りということになると思いますし、私ども市は、その環境をつくっていく、さまざまな融資制度とか、あるいは大学との関連を持っていくとか、そういう環境整備をしていくことだというふうに思っております。現在、金型コネクターは本当に成功したというふうに思っておりますし、さらにこれを進めていきたいというふうに思っております。 それで、産業振興部というのをつくったのも、私が本当に産業振興に力を入れていきたいということでつくっておりますし、また人員配置におきましても、本当に手厚い産業振興を産業振興部の中でやらせていただいているというふうに思っておりますので、私とすれば、産業振興に関しては相当力を入れてきたつもりでおります。
○議長(三上敏君) 松本尚美君。
◆22番(松本尚美君) 見解の相違だというのが前段にありましたが、いずれもう少しはっきりお答えいただきたいのは、さっきも言いましたように、手厚く今もう既に人員を配置していると、だから必要ないんだということなのか、今の配置のまま、組織のまま、人員配置のまま本当に立ち上がっていくのか、大変厳しいと思うのです、私は。ただ、市長はそれでもいいんだ、十分だということでありますね。 では、今後、これを立ち上げると同時に組織体制をどうしていくか、そこのお答えもないのです。もちろん、この機能によって人員配置も当然、組織がどうなるかということも私は形づくられてくるかなというふうに思いますけれども、市長が描いているビジョン、さっきも聞きましたように、事業費がどれくらいなのか。今度、合併に伴う
新市建設計画の中での位置づけは最重点でありますけれども、では、事業費はどうなのですか、5,000万で終わりなのですか。当然、私は終わりではないというふうに思うのです。当然、トータル的には1億、2億の話ではないと思うのです。 そして、市長がいつも言葉のスタートが「金型コネクター」、これも大事なのです。私はそれは否定はしていません。では、ほかの分野をどうするのか、そういったことも当然あるわけです。市長のお答えを聞いていますと、
金型コネクター産業だけがよければすべてがよしというふうにも聞こえるのです、残念ながら。ですから、トータルとして、この宮古市が複合的な産業構造であるということは私も冒頭申し上げました。そしてトータルとして、もちろん、その事業費の配分とか人員的な配置とかというのは、それぞれの分野において違うとは思いますよ。思いますけれども、今のオール宮古市の中で、この産業振興の分野は、当然、林業とか水産業とかそれぞれ商工とか担当がありますよ。ありますけれども、今やっているそれぞれの振興策というのは、従来からの流れが、私はほとんどだと思います。いわゆる補助金をもらってやる事業とか、補助金を民間団体に渡してあげる、そういった事業が多いと思うのです。 今回は、私は違うと思うのです。合併を機に3市町村が本当に大同団結をして、この新宮古市をどうしていくか、そういった先進的な、本当に先導的な役割を担っていく、私は部門が明確に必要だと思うのです。そして、市民、事業者がさらに頑張れる、そういったやはり目標、意気込みといいますか、決意を、私は、市長がやはりきちっと方向性なりトータル的なボリュームなり示す責任があると思うのです。そこをお尋ねします。改めてお伺いします。
○議長(三上敏君) 熊坂市長。
◎市長(熊坂義裕君) 松本議員にも私の意気込みを感じていただきたいと思っておりますが、産業振興は歴史の上に成り立っていると思っております。例えば水産業におきましては、田老町と合併したことによりまして、沿岸漁業生産が県下ナンバー1に、大船渡、釜石を抜きましてなりました。また、新里村と合併したことによりまして、川上から川下までの木材工業というのが一体的にこれから可能性が出てきました。そういう歴史の上に基づいた産業振興というのを図るような計画に合併の中ではつくられております。それを着実にやっていこうと思っています。 今、育ってきました金型コネクターのことを松本議員がかなり言われましたので、私から言います。知事との会話におきましても、一点突破という話をしました。でも、一点突破の後に来ることは、一点突破全面展開ですから、ですから、一点突破をしながら全体の底上げをしていくということです。そういういい雇用の状況がつくられているということは、いろいろな産業にもいい影響を及ぼすと思っております。ですから、そういう意味で「一点突破」という言葉を知事に申し上げて、それは新聞にも書いていただきましたけれども、一点突破全面展開という、これは熟語ですので、そういう気持ちで言っております。 ですから、水産業、観光業、商業、ありとあらゆる産業、それぞれに本当に重要な産業だと思っておりますので、そういう気持ちというものを私は常に持ってやっているつもりでおりますので、それを松本議員にもぜひとも感じていただきたいなと思います。
○議長(三上敏君) 松本尚美君。
◆22番(松本尚美君) ですから、その理解をするためにも、また夢も希望も持つために何回も本当に聞いているのです。そこをお答えください。 この産業振興センターなる事業、これは多岐にわたると思います、私も。ですから、さっきも言いましたように、
金型コネクター産業も私は否定しません。大いにこの分野も伸ばせるものは伸ばしていかなければならないと思うのです。その上で、このセンター事業そのもののトータルのイメージ、言葉だけではなくて、市長は常々、市長だけではないのですね、この
マニフェスト、事業、そしてそれを裏づける財源、ですから、私は、この事業の成果というのは、壇上でも申し上げましたように、この当市の将来がかかっている大事な部分だというふうな認識からお尋ねしているのです。どれくらいの事業費、例えば総額的に、今度、
新市建設計画は、私も正確にわかりませんが、トータル500億を超えると言われています。合併特例債も百二十数億、百四十数億は使えるということでありますが、その中でこの産業振興に資する分の新たな展開、これにどれぐらいの事業費を市長は考えているのか。人員体制も含め、もちろん機能もそうです。そこをお尋ねします。 そして、これを来年度立ち上げるということでありますけれども、その来年度以降、もちろん来年度の立ち上げるまでもこれは私は大事だと思います。トータルとしてのこの平成26年ですか、ここに至る総事業費等々もイメージとして、またボリュームとして私はお尋ねしているのです。わかりませんか。お答えください。
○議長(三上敏君) 熊坂市長。
◎市長(熊坂義裕君) 非常によくわかります。センターは箱物ではございませんので、中身が問題でありますので、何をするかということが私は一番大事だというふうに思います。その意味で先ほど冒頭答弁をさせていただいたつもりでおります。 おかげさまで松山の宮古高等技術専門校にも金型技術科が新設されることになりました。こういったことの連携、それから岩手大学との連携、何をするか、何を伸ばすかというのが大事であって、箱物のそのセンターそのものは私は問題ではないというふうに思っています。何をやるかです、何を入れるか。それを現在、
検討専門委員会でこれからもんでいっていただき、そしてその中で、これをやろうという中で予算も決めていきますので、おおむね5,000万という予算を提示させていただいておりますが、この5,000万が1億、2億になるのか、あるいはその一点突破の中で2,000万とか3,000万とかそういうことになるのか、それはこのセンターの中身の問題だと思っておりますので、これを詰めながら議会にも提案していきたいと思います。
○議長(三上敏君) 松本尚美君。
◆22番(松本尚美君) 堂々めぐりですが、私は何もそのハードな部分、箱物だけにかけなさいと言っているわけではないのですよ。要は、さっきも言いましたように、人員体制も含めて、これは人件費もかかりますよ、ただではありません。
産学官連携やるといったって、ただでやれないのですよ。お金が、裏づけがなければできないのです。ボランティアでやれますか。だから私は言っているのです。ですから、何も箱物に私は強調して言っているわけではないのです。 だから、この事業費というのは箱物だけではないわけですよ、中身が当然大事ですから。ですから、この新宮古市は、この産業振興を資する最大の重点施策として、このセンター事業を中心として、これはトータルとしてどういう事業費を考えるのか、想定しているのかということをお尋ねしているのです。 次に移りますが、これは後であわせて答弁いただきたいと思います。 次に、2点目でありますけれども、工業用地の問題であります。これは何回か私も取り上げておりますが、いずれ竹やりだけでは戦争はできません、今や。確かに交通の問題は私もあると思います。がしかし、それを幾らかでも補って、そして事業者の方々が宮古に立地していただく、そしてさらには増設も含めてやっていただくという場合は、私は必要だというふうに思いますので、これについてももう少し調査をしていきたいと漠然としたことではなくて、これは何回も同じ答弁をいただいています。もう
新市建設計画の中でどういう取り組みをしていくか、はっきり、私は、財源も含めて示すべきだというふうに思います。これが2点目です。 時間がないので、あわせて3点目の部分でありますけれども、市長の昨年の選挙の
マニフェストを見ますと、
新市建設計画の事業名があって、財源があって、その財源は特例債なのか一般財源なのか、補助金にのっとってやるのか、それが中心になって、それを実行する、実現することが公約だということなのです。がしかし、私は、いや、そうではなくて、このこれらの事業を実施した上でどういう成果を得るか、ここが私は問題だということで壇上でも言いましたが、また、市長のお話は、決してそのことが、事業だけを実施する、実現するだけが目的ではないというふうに私も理解をしていますので、そういった理解の上で、やはりきちっとした目標を持つべきだというのは何回か申し上げました。その目標を持つためには、現状がどうであるかという正確な把握がなければできない。 総合計画を見ますと、これは3月にも若干触れましたけれども、主な指標ということになっています。細かくは出ておりませんが、農業でありますとか林業、水産業、卸、小売、サービス、製造業、これは確かに主な産業でありますからわかります。わかりますけれども、では、どの分野のどういう課題を解決しなければならないと、施策の方向とかそういった部分では文言では書いてあります。書いてはあるのですが、そのことの解決するためにこの事業があって、こういった事業費がつく、そしてその結果どういう成果が得られる、そういったことのつながりが見えないのです、余りにも大くくりになって。 それぞれ市には開発計画なり振興計画があるわけでありますが、ぜひこれを参考にしていただきたいのですけれども、私がインターネットで見ただけの範囲でありますけれども、全部をチェックしたわけではありません。 宮古市の主な指標というのはわかります、「主」と書いてありますから。そこにそれぞれの8つの施策を展開するということでありますから、その中に合致する部分で、もう少し目標設定を細分化して、そして課題に対して、どういう事業を取り入れて、そして事業費はこれぐらいですよ、これぐらいかけてこういった成果を求めていくということが、私は大事なのではないかなというふうに思うのです。 例えば北上市でありますけれども、農業分野なんかは、新規就農農業者数を設定しています。これは農業分野です。ほかにもありますけれども、いわゆる宮古が設定していない分野の項目を今お話ししていますけれども、あとは工業の分でありますと誘致企業の数とか、それから観光客の入り込み数は、もう当然これは各地でやっていますが、加えて宿泊数の目標とか、それから、新たな産業を起こすためということで、新設の企業建設ということになっています。これはどういう概念かというのは、ちょっと中身を見ないとわかりませんが、いずれそういった、もっと細分化をして、そしてそれに伴う課題解決のための事業施策、そして投入事業費、そして結果、目標数値を求める、そういった設定が必要なのではないかというふうに思うのです。 釜石市でありますと、製造的技術開発、経営革新認定検査ということが出ているのです。これも項目になっています。それから、異業種企業間による研究開発実施件数、産学官共同研究企業の数とかです。ここで大事なのは、新規の就業者数、宮古市は高齢者の方々の、55歳と伺いましたが、そういった方々の就業率を上げていきたいということでありますけれども、そこも私は否定はしません。否定はしませんけれども、やはり若い方々の新規雇用をどうしていくという部分も、私は、目標値として挙げるべきである。それから、水産業なんかには、加工生産量というのが出ています。額は出ていませんが、そういった加工を量的にどういう目標を立てていくか、そういったことも出ております。それから、これは商業分野でありますけれども、中心市街地の空き店舗率、それから雇用関係でいきますと、これはさっきの新規の就業者数と関連しますけれども、高卒の地元就職率とか、それから起業支援、新規事業創出件数とか、それから観光部門になるかもしれませんが、農林漁業体験観光客数とか、そういった項目を挙げて、そして目標数値を設定して、それに対する事業を組み立ててほしい、そしてそれに対する予算も手当をしていく、その結果を検証していくということであります。 これの一つ一つの積み上げで、市長がおっしゃる、トータル的に確かにこの総合計画を実行、実施していくと、結果はいい方向に進むということになるんだろうというふうに思います。この辺をちょっと端的に、この目標設定の仕方についてお答えをいただきたいと思います。
○議長(三上敏君) 熊坂市長。
◎市長(熊坂義裕君) 松本議員から大変重要な、本当に大切なお話を今いただいたと思っております。全くそのとおりでありまして、例えば圃場整備をしても、その結果、農業従事者がふえ、そして所得がふえたと、まさに今までの行政がアウトプットでやっていましたけれども、アウトカムの指標をすべきであると、これはすべてに言えると思います。やった結果、就業者がふえて所得がふえたと、そういう数値をあらわしていくというのは、これから行政に何よりも求められているわけでありまして、私どもの行政評価システムもそれを目指してやっているところでございます。
新市建設計画から、今、総合計画、委員の皆さんに議論いただきまして、総合計画に落としておりますが、その総合計画の中に当然、細部にわたってそういう指標、アウトカムの指標を入れなければならないというふうに思います。そうしないと、本当に予算が有効に使われたかというのはわかりませんし、そのアウトカムの指標をさらに検証してフィードバックをかけるということも大変大事だと思いますので、そういうことを宮古市もやってきたつもりでおりますけれども、議員がお話しするとおり、まだまだ私どももそこまで到達していないところがたくさんあります。 一方で子育てとか、あるいは健康21プランもつくりましたけれども、そういうかなりの部分、そういうところまで目指した指標もつくっておりますが、すべてにおいてそういう形での指標、これは行政評価システムの確立ということにつながるわけですけれども、それをぜひともやっていきたいと思います。 そして、産業振興分野におきましても、やった結果、就業者がふえ、所得がふえ、あるいは新規学卒者が就職するとか、工業出荷高が上がるとか、そういうところまでの目標設定を、難しいですけれどもやらなければならない時代に行政は来たと思います。
○議長(三上敏君) 松本尚美君。
◆22番(松本尚美君) 市長から、認識とすればそういう方向が当たり前だというお答えをいただきました。私は、今の市長のお答えを聞いていると、行政全般の中にそういったものもきちっとつくっていかなければならないということはそのとおりだと思うのですが、何回も前段言っているように、この市長たる市長のリーダーシップ、少しこの熱意が感じられないというのは、本当に入って市長もやっていただかないとだめなのですよ。市長の
マニフェストなのです、ある意味でつながってくるのは。職員はもちろん、幹部職員も含めて担当者に頑張っていただかなければならないというのはわかるのです。わかるのですが、この宮古市の総合計画の中に入っている数値目標というのは、ほとんど旧の宮古市とか旧の市町村の当時つくったものを引用しているとか、そういうものが多いのです。ほとんど全部と言って過言ではありません。 そういった意味では、新市としての本当にこの目標数値をきちっとした精査をされて、検討がされて、市長も入って、全部100%入れとは言いませんが、取り組むということであれば把握していなければならないのではないですか。私はやはり熱意が感じられないという、そこもあるのです。トータル的なイメージも見えないというのももちろんあります。 ですから、そういった産業振興に本当に力を入れるということであれば、予算的な問題はもちろんであります。人的な問題ももちろんであります。機能の問題ももちろんであります。それを基本的に市長が、1円単位までとかそこまで私は要求しませんが、それぞれの産業分野にどういう課題があって、では、どういう事業の組み立てをすればいいのか、どういう目標設定をすればいいのか、入っていないんですよ。この辺しか聞こえないのです。そうだから言っているのです、私は。 時間もありませんが、いずれこの産業振興に資する、本当に文字どおり中核支援センターと言われるこのセンターの機能、そして、うるさいようでありますが、くどいようでありますが、それの成果がどうなるかによって、私は、この宮古市の将来がかかっている、そのように思っておりますので、機会があればまた個々にお尋ねをしていきたいというふうに思っておりますので、ぜひよろしくお願いします。 それから、最後の部分ですが、この建設産業ですが、
都市整備部長が答弁されましたけれども、都市整備部がつかさどるのかどうか、いわゆる、私は振興策というふうに伺いました。ばらばらというふうにお答えありましたけれども、それが何なんだというふうに思います。 本当にこの産業振興の中での産業分野としての建設産業をやはり重視するということであれば、私は、産業振興部がつかさどるものだという理解です。融資をするとかありますけれども、この融資だって、設備投資なんかほとんどないはずです。運転資金です、単なる。だから、本当にこの現状を把握しているのか、そこを私は本当に問いたいです。最後には、国・県の事業に期待をしている、県の施策展開と連携していくんだ、そこに寄りかかるんだ、そういうお答えでありますよ。 私は、もっと林業を初めこの地域の産業とどう連携をしていくかという知恵も出していただく。例えば住宅でありますと、地元の木をどうやったらば地元の住民の方々、施主さんに使ってもらえるか、大工さん、工務店さんに使ってもらえるか、そこなんです。それから、国等にありますけれども、リフォームに対する支援とか、そういった施策展開をやることによって底支えを私は少しでもできていくのではないか、そのように思います。 そういった意味では、これは機会を改めて、建設産業についての取り組みについては伺ってまいりますけれども、いずれPFI事業なんかもそうです。それから、まるっきり関係ないと見える、例えば都市計画の担当でありますと、公営住宅の例えば市の公営住宅の一括管理を県に要望して、これを業界でやっていただくと、そういったこともあるわけであります。それから、中心市街地とこの建設産業をどう結びつけていくか。やはり定住人口の拡大ということであれば、中心市街地に公営住宅をどう展開していくか、そういったことだってあります。 私は、そういった、やはりきちっとした施策の組み立てをするためにも、この建設産業がどこの所管であるかということをまずはっきりしなければならないです。
○議長(三上敏君) 時間ですので、まとめてください。
◆22番(松本尚美君) トータル的には建設業も大事な宮古市にとっての産業分野である。そういった意味では、もう少しより以上の具体的な方策を考えていただきたい、出していただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 以上で終わります。
○議長(三上敏君) 暫時休憩いたします。 11時10分まで休憩します。 午前11時00分 休憩 午前11時10分 再開
○議長(三上敏君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、19番、田中尚君に質問を許します。 田中尚君。 〔19番 田中 尚君登壇〕(拍手)
◆19番(田中尚君) 私は、新市在任特例終了後の初議会においての質問でございますので、改めてこれまでの経験を生かして真摯な質問をしてまいりたいと思いますので、当局の皆さん方の理解あるご答弁を最初にお願いするものでございます。 私は、まず最初に、市長が崇拝してやまない小泉構造改革に関連する問題として、特別職、とりわけ市長の退職金制度の見直しについて質問いたします。 小泉総理は、ご自身の退職金と比べ地方公共団体の市長は退職金が多過ぎるとして、改善を期待する発言を行っております。退職金の計算が通常は勤続年数に応じて算出されるのに対して、知事や市町村長は、在職月数が退職金の算出係数として使われているからであります。 構造改革の理念とも言うべき実現目標が既得権益の打破をうたい文句にしている以上、その一環として市長の退職金制度の見直しは、避けて通れない課題と考えるものであります。実はこの問題、市長の個人的な思いとは別に、改善が困難な理由として、岩手県総合事務組合の構成団体として宮古市の立場が述べられてまいりました。そうであるなら、同組合の条例改正の働きかけなど具体的な行動計画はあるのか、お答えをいただきたいのであります。 次に、人事政策についてはこれまでも、1年ごとに担当を変更させる人事異動に効果が期待できるのか、私は疑問に考え、改善を求めてきたつもりでしたが、一向にその兆しが見えません。職員の勤労意欲の低下懸念はないのか、人事政策の基本的な基準とその効果に対する評価についてご答弁を願います。 2つ目の質問、タラソ施設の指定管理について質問いたします。 タラソ施設の分離・分割管理方式は、これまでも指摘してきたように、市長の政策破綻を取り繕うことがその最大の理由でした。それまではタラソ施設は収益性が期待され、赤字が必然視されていた交流施設と一体的に整備することで相乗的な効果が期待され、ひいては市の観光も通過型から滞在型に脱皮できるというものでした。健康増進効果はいわば副次的なものとして、産業振興を目的に推進されてきたことは明白であります。 今日、タラソ施設は、収益性が期待できず、健康増進施設としてしかその存在理由が説明できないのが実態であります。交流施設、タラソ施設ともに一体的な施設として整備され、収益事業としての経営破綻を避ける目的で一時直営化はしておりますが、タラソ施設が健康増進施設として収支赤字額を問題にせずに指定管理料として補てんするのであれば、産業振興公社の経営管理能力などの適切な評価をもとに、一体的な管理も可能なのではないでしょうか。 タラソ施設の利用状況や市への財政負担、そして市民の意識調査結果などを考慮すれば、タラソ施設の存廃を市民的に議論する時期は、そう遠くない予感がいたします。当面の策としては、赤字の縮小策として、海水から真水へ、料金体系の見直しや営業時間の効率化などの改善策を検討すべきではないかと思われますが、対応について答弁を求めます。 3つ目の質問、国保事業について質問いたします。 質問に入る前に、質問通告の中で「国庫支出金の増大が目に付く」とか、「国庫支出金が少なく計上され」との文言については、「国庫支出金等」とそれぞれ訂正をさせていただきます。 市は、平成20年度からの医療制度の改革までの期間などを理由に、3月議会の際には、国保事業の収支計画は単年度ごとで対処したいという説明でしたが、今日もその考えに変わりはないのでしょうか。 3月時には国保事業会計収支が4億3,560万円の赤字が見込まれるとしての値上げの提案がされました。3カ月後には1億6,700万円に赤字予測が激減しております。昨年度の保険給付実績などが予測以下だったため、黒字決算だったことが大きな理由であります。3月時と比べると税収実績は、予想額20億3,900万よりさらに600万近く減少した反面、国庫支出金と県支出金の交付金合計額の増大により、1億1,350万円もの基金の取り崩しが中止され、ことし3月末時点では2億9,000万円もの積立金が保有できたことも大きく作用しております。このことからも、3月の
税率改定は不確定な要素が多過ぎて、時期としては不適切だったことが証明されたと思いますが、市の見解はどうでしょうか。 高齢者や景気動向の影響をまもとに受けやすい農林漁業生産者や小規模な自営業者など、国保税の負担能力に乏しい方々が多く加入しているのが国保会計であります。医療費がかさむ高齢者などを多く抱える反面、こうした担税力の弱さを解消する制度として国保基盤安定制度などの支援策がとられており、その一翼をなすのが一般会計からの繰り入れであります。国保中央会の資料によると、国保会計は一般会計から法定外繰り入れを行っても赤字決算というのが、全国的な特徴になっております。市の場合、合併前を含めどのような繰り入れ状況だったのでしょうか。 今回の値上げ案は、歳出を昨年度の決算見込み額で修正せずに3月時の予測数値を採用している点で、保険給付費予測が8,000万円も過大であります。一方、一般会計繰り入れや国庫支出金と県支出金の合計額は少なく計上され、基金保有高も3月時には800万円といわばスクランブル状態だったのが、1億2,150万円もの基金を保有した上でのいわば財政的余裕を前提とした値上げ案であります。 同僚議員の中には、前回より値上げ幅が縮小されたから値上げに賛成するといった意見も一部にありますが、事はバナナのたたき売りとはわけが違います。実態として本当に値上げしなくてはならないのかどうかが問題なのであります。この点では、まさに議会の審議能力、チェック機関としての役割がいま問われているのであります。 この点での私の判断は、一般会計の積み増しなど多少の改善はあるものの、全体としては、歳出を過大に、歳入は過小に予測額が計上され、国保会計収支を赤字状態にして加入者の負担を先行させる従来型のやり方と変わらないと言わざるを得ません。値上げ理由とされる1億6,700万円の赤字予測は3月時と同じ問題を抱えており、値上げの必要性はさらに希薄になったと判断すべきであります。今年度は、合併に伴う
税率を統一させる年度であります。新市の一体感を醸成させるためにも、本年度は
税率の値上げを見送り、診療報酬引き下げなど医療制度改革の影響を見守ると同時に、保健予防活動のさらなる展開などで保険給付費の適正化に努力をすべきではないでしょうか。 以上、それぞれの指摘した点について答弁を求めます。 これで壇上からの一般質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(三上敏君) 熊坂市長。 〔市長 熊坂義裕君登壇〕
◎市長(熊坂義裕君) ただいまの田中尚議員のご質問のうち、私からは国保事業についてのご質問にお答えいたします。 初めに、国保制度の収支計画を単年度ごととする考え方の確認でございますが、医療制度改革により本年10月から始まる、30万円を超える医療費に対する保険財政共同安定化事業の拠出金及び負担金の交付額がまだ示されていないことや、平成20年度から始まる後期高齢者支援金がどの程度になるかが推計しにくいため、現状では単年度ごとに推計せざるを得ないと考えております。 次に、3月の
税率改正時期の合理性でございますが、3月にもご説明申し上げましたとおり、合併協議会の確認事項でありましたことから、旧議員の任期中に提案すべきものと考えたものです。 また、保険給付費についてですが、
税率改正の主な要素となる一般被保険者の療養給付費については、ほぼ見込みどおりでございました。黒字決算の大きな理由は、議員ご指摘のとおり、国庫支出金の増でございます。特に財政調整交付金は保険給付費に関係しない部分であり、年度によっては数千万円の違いが生ずることから予算措置しにくいものであり、ご理解をお願いいたします。 次に、一般会計からの繰り入れ状況でございますが、旧3市町村とも法定外繰り入れは行っておりません。また、保険基盤安定負担金、職員給与、出産育児一時金は、算定額どおり繰り入れております。財政安定化支援分については、厚生労働省の算定方法と、交付税措置をしている総務省の算定方法が異なるため、それぞれの自治体で地域の実情に合わせて繰り入れることとなっているわけですが、今後も財政措置された分については確実に繰り入れるように運用してまいります。 最後に、診療報酬の引き下げは、一般被保険者療養給付費負担金で8,000万円程度の影響を見込んでおりますが、前期高齢者への給付額は年3億円も伸びてきており、今年度もこの傾向は続きます。したがって、この分の不足を後年に回すことは、ますます高齢化が進む中、今後の負担がさらに増大することになりますので、今の不足分は今の中で対応していかなければならないと考えており、ご理解をお願いいたします。 以上、答弁といたします。その他の質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。
○議長(三上敏君) 畠山
総務企画部長。 〔
総務企画部長 畠山智禎君登壇〕
◎
総務企画部長(畠山智禎君) 私からは、構造改革下の市政運営についてのご質問のうち、まず第1に、市長の退職金制度の見直しについてお答えを申し上げます。 市長を初め市町村職員の退職金の支給事務につきましては、岩手県市町村総合事務組合に事務移管し、総合事務組合条例で定められた算定方法により、総合事務組合から支払われております。この退職金の算定に当たりましては、給料月額が基礎となっておりますことから、市長の給料月額につきましては、特別職報酬等審議会に諮問し、適正に努めているところでございます。 首長の退職金が高額ではないかとの最近の報道や、退職金決定に当たっては審議会や有識者会議などの第三者機関に諮問する体制を整えるべきであるとの指摘もあることから、総合事務組合への条例改正についての働きかけにつきましては、総合事務組合に事務移管している市町村共通の課題として今後議論されるものと認識しております。 次に、人事政策につきましてのご質問にお答え申し上げます。 職員の人事異動につきましては、勤労意欲の高揚と公務能率の向上を目指し、公平明朗な人事の確立を期するため、毎年、人事異動方針を定め、実施しているところでございます。この方針では、原則として1年異動は行わないこととしておりますが、管理職等においては退職者数と管理職ポストの関係からこの原則によらないケースもあることは、議員ご指摘のとおりでございます。このような場合におきましても、人事異動方針により適材適所の職員配置となるよう努めておりますので、ご理解をお願い申し上げます。
○議長(三上敏君) 制野
産業振興部長。 〔
産業振興部長 制野忠彦君登壇〕
◎
産業振興部長(制野忠彦君) 私からは、タラソテラピー施設の指定管理に関するご質問にお答えをいたします。 施設の指定管理につきましては、昨年の10月から直営期間を1年以内をめどとする当初のスケジュールのとおり、この10月から指定管理による業務開始に向けて4月より全国レベルで公募を行ったことは、議員ご承知のことと思います。この結果、6月2日の申請期限までに県内外8法人から申請書が提出されております。 なお、宮古地区産業振興公社は応募をいたしておりません。公社におきましては、4月に開催されました取締役会において、交流施設の運営に全力を注ぐべきとの判断から申請をしないとの結論が出されたと聞いております。 したがいまして、施設の指定管理者は、申請された8法人の中から選定していくことになります。 次に、赤字の縮小策についてのご質問にお答えいたします。 まず、真水利用へ転換すべきとのご提言でございますが、この施設建設の理念は、海水に含まれるミネラル、海水の浮力などを活用する海洋療法施設として設置したものであり、真水利用への転換は施設の根幹にかかわる事項でありますことから、現在のシステムを堅持していくべきと考えております。 また、収支状況を改善する手段として、料金体系、営業時間の見直しなど運営面での見直しは必要になってくるものと考えております。 今後、指定管理者の選定を進める中で、申請者ごとにご提案いただいている事業計画に沿いながら検討し、多くの市民の皆様にご利用いただける施設となるよう努めてまいります。 以上、答弁といたします。
○議長(三上敏君) 田中尚君。
◆19番(田中尚君) 再質問を行わせていただきます。 質問順にしたいと思いますが、まず、この首長の退職金の問題については、特別職報酬審議会等のいわば答申にゆだねたいというふうな意味のお答えだったというふうに記憶をするわけでありますが、私は、もっと、そうではなくて、やはり政策を実現する立場から、首長が積極的なイニシアをとるということが必要ではないかと思って質問したわけであります。 現に宮城県の知事は、あそこは総合事務組合方式をとっていないという事情があろうかと思いますが、条例を改正して、自分は受け取らないということをいわば有権者に明らかにしております。市長も何度かこの問題についてはそういう意思表示をしようとしたわけでありますが、まさしくこの総合事務組合が支障になりましてできなかったというのが、これまでの経験であります。 そうであるなら、私は、ほかの首長さん方のいわば議論の材料にするためにも、こういうふうなことでもっと能動的な役割を望みたいというのが趣旨でございましたが、先ほどの答弁でございましたので、これは、そういうふうにすべきだという意見に私はとどめたいと。 それから、人事政策については、原則1年禁止だということのようでありますが、私は、そういうことの割には特に責任のある課長職はもっと大変なのではないのかなと。我々議会サイドとしても、事務方が積み上げておりますいろいろな事務事業について、1つには、やはり政策判断できるような理解を持つというふうになるまでには、この1年というのは、ちょうど様子がわかってどうしようかということをつかみかけた時期なのではないのかなと私は思うのですよ、一般的に。物事の世の常といいまして、世のいわば格言として「石の上にも三年」という言葉がありまして、私どもの任期も4年であります。これが仮に1年ごとに議員の選挙をやったら、いつもそんな勉強、勉強で、市民の負託にこたえられないと。したがって、ある意味で落ちついてそういう住民の負託にこたえるために、ある程度の任期が保障されているのではないのかなと思うのです。 当局の方針においても、1年原則禁止というのはそういう意図からだろうと思うのですが、何か職員が不足とか退職者の云々かんぬんということで、それを合理化するような説明がございましたけれども、私はこれはぜひ原則を遵守してほしいというふうに思うわけであります。これも要望のみにとどめたいと思います。 2つ目の質問、タラソ施設の問題についてそれぞれお答えをいただいたわけでありますので、この問題でもう少し再質問させていただきたいと思います。 まず、前回もご答弁いただいた部分でありますけれども、いわばタラソテラピー施設は、その施設設置の存続根幹にかかわる問題だと、真水にかえるということがですね。そういうことから、非常に困難だという答えでありました。 私は、この施設の、いわば行政評価ではありませんが、どういう、その効果実態として、市民に、あるいは利用者に還元されているのか、ここからその物事を考えるべきだということで提案しているつもりであります。つまり、利用者の多くの方々が、海水のミネラル効果だとか海の水でなければならないような、いわばそのメリットを期待して利用しているのかと。私は、そうではないと思います。 当初は、銭湯と勘違いして1日に3回利用されると、ご夫婦でですよ、そういう例も私は耳にしております。施設を整備する際には、鍬ヶ崎地区の銭湯を経営されている方は、大変なみずからの経営の根幹にかかわる問題ですから、反対だとおっしゃったのも当然であります。いま利用の実態は、設置者の意図と利用者の期待感とやはり大きなギャップがある。そうであるならば、何もあえて大きな財政的な負担を冒してまでも海水にこだわる必要がない。あそこはタラソテラピー施設ではなくて、単なる健康増進施設ということで看板をかえたって、今の利用実態にさほど影響はない。私は、そういうふうに思うから言っているわけであります。 一体、当局におきましては、タラソテラピー施設があそこに存続をしている、そしてその行政評価としての部分が何なのかというのは、必ずしも明確に説明をされていないというふうに私は思っております。したがいまして、後段の料金体系や営業時間の効率化等については、これは当然、指定管理者と協議をしながら改善をしていくという答弁でありますので、これはこれで私は了としたいわけでありますけれども、もっとさらに突き進んで、市民の皆さん方の健康増進効果は、海の水だから満足しているということではないですよ。それから、タラソに入って、大きな新聞のコピーあります。あそこでPRしている中身は、温水効果ですよ。海水効果ではないですよ。タラソ館に入って一番目につく。水中ウオーキングを含めてですね。同じような意味で、県内の盛岡市においてもあのふれあいランドがあります。大変、利用者の方々に好評であります。 一体、利用実態に照らして、海の水と真水とのこの比較、これがどうなのかということは前にも議論してまいりました。我々が理解し、納得できるような答弁がなかったというのが私の理解でありますので、改めてそういう部分で、タラソテラピー施設は海洋療法施設だから、この施設の根幹にかかわる問題だからそれはない、そういうことを言って毎年7,000万円もの市税を投入し続けることが、本当に市民の皆さんの理解に結びつくのか、私は甚だ疑問であります。 この点について、まず現時点でこれが大変結構なものだと、市浦村は、あそこは人口が少ないけれども、宮古市は市浦村の比ではない、収益についても赤字を出さないようにします、こうおっしゃった熊坂市長は、もう社長の座を退かれたわけでありますけれども、一体、みずからの思いに照らして現時点ではどのような評価をお持ちなのか、私はお答えをいただきたいと思います。
○議長(三上敏君) 熊坂市長。
◎市長(熊坂義裕君) タラソテラピー施設が、タラソテラピーというのは海水を使っているから言うわけですけれども、この海水を使うことによって健康増進が図られるというのは、これは私は医学的に証明された事実だと思います。これをもし真水ということになりますれば、一般のプールと変わらなくなっていくわけですので、これに関しましては、つくった本来の意義が失われると思っております。 海水を利用したこういった施設の医学的な検証ですけれども、琉球大学を初め厚生労働省におきましても研究班がつくられまして、証明されているものと思っております。現にそれを期待しないで市民の方が入られたとしても、海水から自然に恵みを受けるということで、期待はしていなかったとしても結果としてさらに健康になるというふうに思っております。 ですから、このタラソテラピー施設が現在、日本では20施設にどんどんふえてきたわけですが、海水を使うという、このことにつきましては、今後とも一番大事な点だと思っておりますので、この件に関しましては議員におかれましてもご理解をいただきたいと思います。
○議長(三上敏君) 田中尚君。
◆19番(田中尚君) 海水を使ったこのタラソ施設の今の状況は、いわばランニングコストが1億1,500万円かかると、そういう施設であります。同じような意味で、健康増進効果が期待されております総合体育館シーアリーナ、こちらの方はおよそ6,000万、それから、崎山のサンスポーツランドも同様でありますが、こちらの方は年間3,000万の市の持ち出しというふうに聞いておるわけでありまして、それに加えて、このタラソテラピー施設のいわば利用の実態が、3分の2を超える方々がそのあそこでの健康増進効果を期待してやっているということだとすれば、やはり市長がお話をされたような、いわば思い込み的な必要性ではなくて、きちっとした評価をする、私はそういう時期に来ているというふうに思うわけであります。 そこで、当局の方から事前に、このタラソ施設の海水使用と水道水使用についての比較の数字をいただいておりますけれども、それによりますと、仮に水道水を利用した場合には、1カ月の金額の違いとして17万4,900円、経費の削減効果が期待されるという数字でございますが、私は、この数字はまだ正しい比較が行われていないと思って見ております。 それはどうしてかといいますと、この数字の中にはタンクローリー車の車両維持費、それから燃料費、運転士の人件費を含んでいると言いますけれども、そもそもの1,400万円近いタンクローリー車の償却費、これは私は入っていないと思うのです。それは幾らかといいますと、ざっと年間当たり335万であります。 したがいまして、今後も海水にこだわりますと、また何年かした時点でタンクローリー車を購入しなければならない。いまガソリンが値上げをしておりまして、なかなか大変な状況でありますから、数字をいただいたときから見ると、もっとこの1カ月の金額の違いは、私は拡大をしているというふうに思うのです。 そういう意味で、まず確認したいと思うのですが、償却費は含まれていないというふうに私は理解するんですが、それに間違いないですね、うなずくだけでいいですが。 はい、そういうことだそうでありますので、毎年、優に500万を超える経費の節約が即出てくる。それから、経費がかかると言いますけれども、水道の費用は水道事業会計の収入として回りますから、これはいたずらに施設の負担が大変だということだけではとどまらない、一方においては特別会計の水道事業会計の売り上げに貢献するわけでありますから、私は、非常にこれは大いに真摯に研究して構わない部分だろうと思うのです。 本来の意味でのタラソが期待される部分は、個別プログラムの部分が、ある意味ではその最も収益性が高く、期待できる部分だったと思うのです。バンジェだとか泥んこパックだとか、さまざまなコーナーがあるわけでありますけれども、それらも含めて今、そのタラソテラピー施設ということで売りに出しているわけですよ、市民にですよ。しかし、幾らいいものでも利用がされなかったら、私は、当然、行政評価ではありませんが、この施設をコストとの関係でやはりきちっとした政策判断をしていくというのを行わなければ、市長が行政評価をやっていますと言いますけれども、片手落ちではないのかな、私はそう思うのです。 そういう意味で、この施設は特別だという、そういういわば聖域を設けないで、本来の意味でのコスト意識、そういうものも考えるならば、きちっとその評価もするし、その上でどうしようかというのは一つの選択肢として私はあるべきではないかと思うのですが、市長、どうでしょう、これは今後の話です。つくってみて、市民の皆さんにアンケート調査したら、半分以上の方が「利用しない」と言っているんですよ。これは私は深刻な数字だと思いますよ。 そういう意味で、この点について市長からもう一度お答えいただきたいと思います。
○議長(三上敏君) 熊坂市長。
◎市長(熊坂義裕君) タラソ施設の行政評価の話が出ましたが、私もそのようにしていかなければならないというふうに思っております。要するに海水を使ったタラソテラピーをすることによって、プログラムではなくても、プールの部分でも私は一向に構わないと思うのですけれども、利用している方が、利用することによって健康にどれだけの寄与があったかということを具体的にデータとして出していかなければならないと思っております。そうすると必ずいいデータが出てくるというふうに思っているのですけれども、そういったデータを出しながら、これは全員についてやる必要はないと思うのです。ある一定の集団という中で、過去にも健康課でやった経緯がありますけれども、それを証明していくと。 そのことによりまして、これからいま一番求められるのは、介護予防、それから自分の健康は自分で守るということで、医療制度改革にもこの健康に対しての自己責任というのが強く盛られてきておりますが、そういうところを、宮古にしか東北の太平洋沿岸ではないわけですので、それを市民の皆さんにわかっていただき、あの施設というものをさらに利用していただくように努力をしなければならないと思っております。
○議長(三上敏君) 田中尚君。
◆19番(田中尚君) 市長が介護予防に触れるようなお答えをしておりますので、私は、その点も関連して要望といいますか、注文をつけたいと思うのですが、いわば生活習慣病予防としての、あるいは筋力トレーニングとしてのタラソテラピーの利用も期待できるんだというのであれば、それの事業評価もやはりきちっとしなければならないと思うのですよ。 つまり、例えば今300円で利用されている方もおりますけれども、そういう方々をちゃんと管理して、ある程度の期間の中で、本人のもちろん健康実感もさることながら、血圧とかさまざまな数値でそれはきちっと評価をするということもなければ、私は説得力がないというふうに思いますし、その程度、「程度」と言ったら怒られますけれども、そういう内容の効果であれば、私は、海水ではなくても同程度の効果はできるんだということを指摘したいということであります。 それはそういうことで、この部分についても私は、数値目標を設定してきちっと説明をすべきだということを申し述べて、次の質問に移りたいと思います。 国保事業については、それぞれ確認をできた部分がございます。それは医療制度の大きな変化の前の年でありますので、単年度で対処したいということがそうでありましたし、もう一つは、一般会計からの繰り入れに関しては、これは法定外負担はないという答弁でございました。これは旧3市町村に共通する問題であります。 そこで私は、全国的に見た場合に、この法定外繰り入れをしてもなおかつ赤字だというのは、いま少なくても平成14年度時点の国保中央会がまとめた全国的な傾向であります。この法定外負担の理解についてでありますが、例えばその厚生労働省が示した数字、これはどういう数字かといいますと、例えば平成16年度の資料を拝見させていただきますと、宮古市の場合には7,094万9,124円であります。これは合併前ですから、旧宮古市の分であります。それに対する宮古市の繰入額は3,044万1,000円でありまして、率にして42.9%、ざっと4,000万ほどの差がそこに生まれているわけでありますけれども、私は、厚生労働省のその示す金額までは、ある意味では法定内繰り入れだというふうに考えても通用できるのではないのかなという思いもあるのです。 要は、法定外繰り入れの考え方ですが、今のお答えからしますと、あくまでもそれは交付税の算定として見ている部分、この金額を入れているかどうかということですから、それが100%だとすれば、実に厚生労働省と総務省の部分とのいわば物の考え方は、約6割近い差があると。そうすると、一体何なんだ、厚生労働省が示しているこの金額はどのように理解すべきなのか。ここまでは国保財政安定化支援として必要な金額ですよというのは、私は7,000万だと思うのです。それをカットしてしまう理由は、あくまでもそれぞれの市のやはり財政力によるからではないのかな、財政に余裕があれば当然、繰り入れて加入者の方々の負担を少なくするということが可能になりますけれども、そうではないところはどんどん値上げしかない。こういうふうになるから、私は聞いているわけでありまして、この辺はどういうふうに理解をすべきなのでしょうか。 私は、せっかく県がこういうデータまで毎年発表しておりますから、全市町村の担当課から提出を求めまして、盛岡市は7割ですよ、繰入額が。3億2,926万4,000円に対して2億3,000万。100%市レベルで実施しているのは、水沢市、北上市、陸前高田市であります。ここには、別に市長が特別に革新的だからとか、そういうのは一切ないわけでありまして、要は、すぐれて政策的な問題だと私は思いますので、この部分についてどのように理解したらいいのか。 市長もこれは100%厚生労働省並みの繰り入れをするというのがやはり適切だというふうに考えているのか、あくまでもそれぞれの地域の実情に応じてそこはばらばらなんですよということになりますと、久慈市みたいに1円も繰り入れしていないところも出てまいります。非常なばらつきであります。 私は、これはやはり、せっかく所管は厚生労働省でありますから、この部分に向けての努力をするということを期待したいわけでありますけれども、この点については、この2つの物差しの理解とあわせて、どうお考えなのか、どうでしょう、部長、よろしいでしょうか、部長に振って。お答えいただきます。
○議長(三上敏君) 中嶋
市民生活部長。
◎
市民生活部長(中嶋敏孝君) その前に、3月時点でもお話しした経過がございますが、まず、厚生労働省と総務省の積算の基準が違うということでございます。 総務省におかれましては、国の地方財政計画に基づいて、地方交付税の基準財政需要額について算定をしているということでございます。その中に人口が算定基礎になっているというふうにお伺いしてございます。 それから、厚生労働省の算定基準につきましては、全くその人口には関係なく、3つほどの算定基準があるわけでございます。1つにおきましては、所得水準が低いことによる保険料の減、いわゆる低所得者が多いという部分です。それから、病床数が多いことによる給付費の増ということでございます。もう一点は、平均年齢が高いことによる給付費の増、いわゆる高齢者が多いという部分でございますが、そういったものが基礎になって算定をされておるわけでございまして、いずれその差について繰り入れはどうかということでございますが、むしろ末端の保険者ではなくして、私の方の希望とすれば、国の中で調整をしていただきたいという部分が、思いとしてあるわけでございます。 以上でございます。
○議長(三上敏君) 田中尚君。
◆19番(田中尚君) 国は盛んに、いわゆる国庫負担、本来国が負担すべき義務のある部分をどんどん地方にもう回すと。一般財源化して、みんなやっていますよ、いわばごまかしです、私に言わせますと。 今回も国庫支出金ということで私が最初に訂正したように、いわゆる従来国庫負担金で見ていたものが県の方に来ると。県も、実を言うと大変な財政危機ですよ。いつまで国保事業に対する本来回すべき金が保障されるのか、私は非常に疑問であります、こういうやり方を許していたのでは。 ですから、もとはいえば、やはりA級戦犯は国なんですよ。国保の加入を義務づけているのは、国がつくった法律ですよね。しかも、保険給付費の50%は国が保障する建前ですよ。実際そうなっていますか。そうなっている数値ではじき出せば、今年度は値上げする必要はないという数字が出てきますよ、これは。 ですから、私は改めて確認したいわけなのですが、一つの可能性として、今年度に限って言えば、さまざまな市の努力をすることがもちろん前提です。一般会計の繰り入れもそうであります。まだ財政の見通しが不明だということを理由に、12月の補正で期待できる部分もあるわけでありますから、それは1,000万、2,000万という、そういう小さな金額ではないですよ。そういったことも考えたりすれば、一つの可能性として、今年度、単年度で見る限りは、保険税の
税率を値上げしなくても、ことしはしのげる可能性が大だというふうに私は見るのですが、その点については事務担当とすればどうなのでしょうか、可能性であります。一定の前提つきで考えているわけでありますけれども、そこを伺いたいと思います。
○議長(三上敏君) 杉村
総合窓口課長。
◎
総合窓口課長(杉村憲君) お答えいたします。
税率改正はどうかということですけれども、我々といたしましては、やはり前期高齢者の給付費の負担というものが相当伸びているし、大きな割合を占めているという中では、これらを考慮していく。特にも今年度、診療報酬等の引き下げ等も考慮しなければならないわけですが、その部分を考慮したとしても、さらに前期高齢者に対する給付負担というものは大きな割合を占めてくるという中では、やはり今年度、ある程度の負担を市民の方々にお願いしていかなければならないという部分で今回提案しているわけでございまして、今年度、仮に
税率を改正しなかった場合、さらに19年度どうなるかといった部分はまだ見通しつかない中で、さらに
税率の上げ幅になった等を考えると、現在の予測できる範囲内でのある程度の負担をお願いしたいなというふうに考えている次第でございます。
○議長(三上敏君) 田中尚君。
◆19番(田中尚君) 前期高齢者のその伸びが、
税率改定のいわば最大の理由になっているようでありますが、しかし、18年度のその前期高齢者の増加割合と、それから16年度から17年度にかけての前期高齢者の割合、これは私が見る限りではほとんど同じです、ふえる人数のペースは。皆さんからいただいた資料を見て、そうなっています。そうだとするなら、16年度から17年度にかけてはどうだったのか。
税率改定をして、積立金を1億1,000万取り消さないと収支がとれないということだったのが、当然、医療費の給付ですから、幾ら国庫負担の方が削られたといっても、一定のルールで、それはいま調整交付金の部分でありますが、10%分はそれで国が対応することになっております。 宮古市は、収納率を理由にペナルティーを受けて、2,000万近い調整交付金がカットされたという経緯がございますけれども、しかし、16年度、17年度決算に関して言えば、当然、ですから、どんとお金が来たわけですよね。それは臨時的なものだと言いますけれども、医療費が伸びたらば、当然、国・県も含めた負担金が伸びるのは当たり前ではないですか。そこが少なく抑えられて、しかも10月からは高齢者の方々は、いわゆるホテルコスト、介護保険がそうなように、医療費もそういう居住費、それから食費が保険から外れることになっているわけであります。 そういった意味では、非常に結構なことではないわけでありますけれども、単純に国保財政会計の問題のレベルで見れば、国保会計の負担は、国が国庫負担金を減らしたいために、やはりそういう形でどんどん、いわば改悪に走っておりますから、そういうときに医療費がふえるんだ、ふえるんだということでどんどん値上げをしようとするのは、私は、明らかな政策ミスになっていくのではないのかなということを指摘したいために、ここを聞いているわけであります。 実績を見ても、18年度の増加率は、16年度と17年度の増加率と私は変わりないと言ったわけですが、どうですか、そこは。その結果の医療費の伸びがこうであります。今回はそれに加えて、診療報酬が3%下がるわけでありますから、マイナスになるのではないですか。10%の伸びだったものが、仮に診療報酬が3%マイナスになったらば、7%で済む話ではないですか。私はそういうふうに思うのですよ。 そういった意味で、よく国保会計の数字を見ますと、今回の値上げについては、私は非常に理由に乏しいと。1つには、過去の一般会計のやはり繰り入れの仕方も改善をすれば、つまりこの部分にお金をかける、田老の国保診療所だけで1億円入れておりますよ。私は、もちろんそれも大事なことでありますけれども、国保加入者の人数からいったら、その比ではないですよ、税金の使い方として考えたときに。そういったことをもっと努力すれば、この収納率のことが出てまいりましたが、さきの3月議会では、臨時議会でありましたけれども、収納率の向上を前提に値上げをしなくても十分だということで今の予算が成立しております。値上げしたら、もっと困難な状況をつくることになるのではないですか。 そういうときに、それが、では、どうなるか。この資格証明書、短期保険証などの交付が必ずしも納税の意欲につながるものではなくして、むしろ病院にかかりにくいようにする、ここに一番、こういう保険証を出すことのねらいがあるのではないのかな、私はそう思っております。では、その結果はどうなるのか。我慢に我慢を重ねて、これ以上我慢できない状態になってから病院に行って、かえって医療費が高くついているというのが実態でしょう。 そうだとするなら、値上げしないで済むのであれば、今年度に限っては、私は、そういう努力をして、やはり市民の生活の安全につなげるというのが、政策決定のあり方として非常に重要ではないかというふうに思うのですが、この点については、市長はご自身で医院を経営された経験もございます。もっと目を広げて、国保財政の今年度の会計として見たときに、これはひょっとしたら何とかしのげるのではないのかなというふうに見れませんか。その点についてご意見を伺いたいと思います。
○議長(三上敏君) 熊坂市長。
◎市長(熊坂義裕君) 今回の国保税の
税率改正のご提案に関しましては、最終日にお願いしたいというふうに思っておりますが、全員協議会でもお話し申し上げましたとおり、5月の出納閉鎖、それから3月の医療費の状況、また国からの交付金等をすべて勘案いたしまして、私どもとすれば、できる限りの努力をした上でのご提案でございますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げたいと思います。
○議長(三上敏君) 田中尚君。
◆19番(田中尚君) 先ほど臨時的なものだという説明がございましたが、3カ月前には同じような趣旨で、四億数千万の赤字だからこれこれの値上げにぜひお認めをいただきたいということで提案をされております。今回、それとの比較で考えますと、いわばこの国や県の国保会計に対する法律に基づく負担、この金額が3月のときと比べて1億1,581万2,000円ふえている。これは、17年度の保険給付費の見込みが下回った状態でこれだけの国庫支出金等の収入が実績としてあったということは、私は、大変な問題ではないのかなと思うのですよ。 なぜ3月の時点でそういうことが単純に見抜けなかったのか。市長の先ほどの答弁ですと、臨時的なものだ、予測が難しい、それはそうかもしれません。でも、ゼロではないのです。これは政策的な配慮で、先ほど部長がお話ししたように、さまざまな要素で国の方が一方的に決めて、出す部分は確かにそうかもしれません。しかし、そうではない部分もあるわけでありますよ。私は、これは18年度の決算が行われた時点で、同様の結果が生まれると思いますよ。そうなったときの責任は一体、では、私はどういうふうに考えたらいいのでしょうか。本来、加入者の皆さんに負担を求めなくてもいい部分まで負担を求めて、さらに滞納をふやすようなやり方はいいのかという問題だから、私は言っているわけです。 単純に16年度から17年度にかけての医療費の伸び、これは同じようなケースで18年度も前期高齢者が入ってきます。だけれども、こういうふうな誤差といいますか、予測に比べてやはり違いが生まれたわけでありますから、数百万とか数千万ではないですよ、億の狂いです。今回は1億6,500万の赤字が予想される。これは十分、本議会の冒頭に、老人保健会計の繰上充用した予算を議決しておりますけれども、そういう不透明な部分は、何も無理して予想する必要はないのです。仮に赤字になったにしたって、私はならないと思いますけれども、積立金にどんと向かうと思いますけれども、ここはいわば来年度の議論の楽しみの部分なのですが、そういうことを考えれば繰上充用という方法もあるわけでありますから、私は、今回はやはり
税率の値上げは見送って、壇上で述べたような対応をすることが非常に望ましいと考えます。 市長からは先ほどお答えいただいておりますので、私は、そういう実態にあるんだということを再度指摘して、終わりたいと思います。
○議長(三上敏君) 暫時休憩いたします。 再開は午後1時からにいたします。 午後12時10分 休憩 午後1時00分 再開
○議長(三上敏君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、27番、中嶋榮君に質問を許します。 中嶋榮君。 〔27番 中嶋 榮君登壇〕(拍手)
◆27番(中嶋榮君) 平成18年6月定例会において、質問通告に沿って質問をいたします。 最初は、
住民基本台帳カードの利活用についてであります。 行政事務の効率化を図るために導入されました
住民基本台帳カードの普及率が低調であると報道されたのは、つい最近のことであります。岩手県全体の交付枚数は1万4,777枚で、県人口に対する普及率は1.06%にとどまり、35市町村のうち33市町村での普及率は、1%に満たない。当市における交付枚数も372枚と、普及率で0.62%となっています。この住基カードは希望者のみに交付されますが、交付された方は、身分証明にはなるが価値がない、持つ意味がないというのが本音のようでございます。また、個人情報の漏えいやカード社会への不安も背景の一つにあると考えられます。 そこで、1点目の質問は、当市が交付する
住民基本台帳カードはどのような目的に活用できるのか、お伺いをいたします。 住民基本台帳は、ここで話すまでもなく、住民基本台帳法に基づいて平成15年8月25日から、希望する住民に対して市町村から交付されているカードでございます。この
住民基本台帳カード、すなわちICカードは、高度なセキュリティー機能を有するカードであり、そのセキュリティーの高さゆえ、民間におきましても銀行のキャッシュカード、クレジットカード、ポイントカード、ノンストップ自動車料金収受システム(ETC)などで広く活用されており、現在はパスポート、運転免許証などがICカード化されつつあります。 総務省では、このICカードである
住民基本台帳カードの導入に当たって、カード内の住民基本台帳ネットワークシステムで利用する領域から独立した空き領域を利用して、それぞれの自治体においてさまざまな住民サービスが可能であるとし、そのサービスを各自治体で利用可能な標準システムとして開発し、希望する市町村に対して、原則として無償で提供をしております。 そこで、2点目の質問は、市民サービスの向上を図るためにも、
住民基本台帳カードが多目的に利用できるように範囲の拡大を図れないのか、お伺いをいたします。 次の質問は、産業の活性化についてであります。 宮古魚市場における地元船と廻来船の水揚げ数量と水揚げ金額を見ますと、地元船の水揚げ数量は、平成15年度には1万5,066tで38%、平成17年度は1万8,939tで40%、水揚げ金額は、平成15年度、26億4,469万円で48%、平成17年度は34億8,033万円で52%、廻来船の水揚げ数量は、平成15年度、2万4,870tで62%、平成17年度で2万7,956tで60%、水揚げ金額におきましては、平成15年度、28億1,246万円で52%、平成17年度が32億2,011万円で48%となっております。 水揚げ数量、水揚げ金額におきましても50%以上を占め、宮古市魚市場に重要な位置を占める廻来船は、水産都市宮古に多大な貢献をし、水産振興に最大の寄与をしております。 最近は、新たな基幹魚種の構築を図るために、かつおさお釣り漁業の誘致活動も進め、受け入れ態勢の整備もしていると聞いています。今や遠洋漁業は、入漁料や重油の高騰もあり、漁獲量も以前と違い少なく、採算ベースに乗れないのが現状であり、廻来船誘致活動は官民一体となり継続する必要があり、このことから廻来船誘致の定着化を図るため、深層水氷と普通氷の差額補助のメリットはあっていいものと思うが、補助の決定はしたのかどうか、お伺いをいたします。 次に、津軽石川は、自然環境でも人とのかかわりでもさけと大変深い関係にある川で、北上山系の高滝森山や水呑場山を水源とし、山田町豊間根地区、宮古市津軽石地区を流れ宮古湾に注ぐ、流域面積153.4k㎡、流路延長23.4kmの2級河川でございます。 津軽石川は、流れが非常に緩やかで、河川敷内はヨシ群落等の草木が生い茂り、いまだ多くの自然のままの風景が残り、毎年冬には白鳥が飛来し、地域住民の憩いの場となっております。また、この川には、代表的なさけのほか、あゆ、やまめ、うぐい、いわな、うなぎ、かじか、なめとう--学名はわかりませんので「なめとう」と言います--などの生息が確認をされております。津軽石川は、古くからさけが遡上する河川として知られ、岩手県内でもいち早く人工放流事業が行われたことでも知られております。 1895年(明治28年)に、当時宮古町にあった鍬ヶ崎町組合水産補習学校で、宮古川に遡上したさけから採卵し、4月に放流したのが始まりで、岩手県最初のさけ人工ふ化場は、1905年(明治38年)9月に津軽石村赤前の佐々木清介氏らによって設立され、翌年春に53万尾の稚魚が放流されたのが人工ふ化場の始まりとなり、現在、収容能力1,000万粒、稚魚放流数も5,400万尾以上の放流を行い、昭和55年には26万2,392尾、平成16年にも19万5,000尾の捕獲尾数となり、本州随一のさけ遡上河川となっていることから、観光客流入と社会教育の増進を図る目的においても、津軽石川に淡水魚やさけの遡上を観察できる水中観察室の建設を試みてはどうか、お伺いをいたします。 次に、国土交通大臣は5月9日の閣議で、異常低温で道路にひびが入る凍上災害が、この冬、東北や北陸などで相次いだことから、都道府県と市町村が管理する道路の被害を災害復旧事業の対象とすることを決めたと発表しました。 凍上災害は、低温で道路の路床の中に霜柱ができ、路盤を盛り上げ、霜柱が解けて路盤がやわらかくなったところに車の重量がかかり、ひび割れができ、それを1日1工程として何回も何回も繰り返すことによって、道路がカメの甲羅状になる現象を言います。 今回、災害復旧工事の対象となるのは、2001年以来5年ぶりのことになりますが、当市においては速やかに調査したとお伺いしておりますが、当市における凍上災害の被害状況をお伺いいたします。 次に、宮古市は昨年6月6日、3市町村の合併に伴い、新たな生活排水処理基本計画を策定するとし、その基本計画は、豊かな自然を守るとともに、川や海などの公共用水域の保全を図り、市民の快適な居住環境の改善を図ることを目的としており、市は、それぞれの地域特性を踏まえ、より経済的な手法で計画、整備したいと考え、平成19年度より市町村設置型合併処理浄化槽事業を導入するとしております。 その理由は、公共下水道の整備がまち中心部から郊外に移るにつれ、民家がまばらで公共下水道の布設は効率が悪いとし、現在は浄化槽の機能向上もあり、合併浄化槽が見直されてきているとしております。このことから、新しい事業として、市町村が設置し、市町村が管理する市町村設置型合併処理浄化槽事業を導入し、住民負担を軽減し、保守点検、清掃、法定検査の手続も市が行い、住民の手間を省くことができるとしております。 しかし、各地域で行われた説明会においては、地域住民の多くの方々から「浄化槽は設置したいが排水路のない地域はどうするのか」という質問が多く出されました。 このことから、排水路の未整備地域が多くある地域の施策を当局はどのように考えているのかお伺いし、壇上からの質問を終わります。(拍手)
○議長(三上敏君) 熊坂市長。 〔市長 熊坂義裕君登壇〕
◎市長(熊坂義裕君) ただいまの中嶋榮議員のご質問のうち、私からは、昨年暮れからの冬期間に発生した凍上による道路の被害状況についてのご質問にお答えいたします。 今期の冬は、例年になく降雪や異常低温が続き、特にも2月初めからは最低気温が平年より低い日が続いたため、道路が凍上して舗装面にひび割れ等の被害が生じました。被災状況は、現時点では市内8路線で12カ所、延長が約2km、金額は6,800万円で、地区別では南川目、山口、田代、重茂地区となっております。 凍上災害の国庫補助対象は、気温が過去10年間の平均値を下回るなどの一定条件の地区が対象となり、三陸沿岸地域では、宮古市を含む一部の地域が対象となっております。凍上災害は、経年劣化による損傷や応急復旧分は国庫負担の対象外となっており、8月に予定されている国の災害査定の際には、できる限り採択されるよう臨んでまいりたいと思っております。 以上、答弁といたします。その他の質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。
○議長(三上敏君) 中嶋
市民生活部長。 〔
市民生活部長 中嶋敏孝君登壇〕
◎
市民生活部長(中嶋敏孝君)
住民基本台帳カードの利活用についてのご質問にお答えいたします。
住民基本台帳カードは、住民基本台帳法に基づき住民の請求により交付する、本人確認情報が記載されているICカードのことでございます。このカードには、写真つきと写真がつかないものと2種類のカードがあり、写真つきのカードは、運転免許証などと同様の公的証明書として活用でき、宮古市では印鑑登録、転入、転出、転居及び世帯変更届等の本人を確認する際の身分を証明するものとして利用されております。 全国におけるカードの交付枚数は、68万枚で普及率0.54%、当市の交付枚数は、372枚で普及率0.62%であります。普及率が低いのは、利用できるサービスが限られていることから、カード所持のメリットを感じていないためと考えられます。 また、この
住民基本台帳カードは、議員ご指摘のとおり、市民サービス向上を図るため、多目的利用を図ることが可能で、普及率の高い市町村ではいろいろなサービスを行っております。例を申し上げますと、自動交付機による住民票や印鑑登録証明書等の交付のサービス、図書館の利用、図書の貸し出し等を行うサービス、病院の診察券として利用できるサービス、温泉における入浴料の割り引き等のサービスなどに利用実施されております。 現在、総務省では、カードの普及を図るため、多目的利用、広域的利用の検討を進めておりますことから、当市といたしましても、この推移を見ながらカードの利用の用途について検討してまいりたいと考えております。 なお、当面は、広報活動を行うなどカードの普及に努めてまいりたいと考えます。 以上、答弁といたします。
○議長(三上敏君) 制野
産業振興部長。 〔
産業振興部長 制野忠彦君登壇〕
◎
産業振興部長(制野忠彦君) まず、廻来船誘致を図るための海洋深層水氷利用への補助についてお答えをいたします。 当市水産業の核であります魚市場の平成17年度水揚げ高は、数量で4万7,000t、金額で約67億円となっており、このうちさんま棒受網や沖合底引き網などの廻来船による水揚げは、数量で約2万8,000t、60%となっており、金額では約32億円、48%を占め、市場水揚げの根幹をなすものとなっております。 廻来船誘致対策事業は、昭和63年度に市の補助金80万円でスタートし、現在は事業費規模で約600万円、そのうち市補助金は300万円と充実を図ってきており、関係団体と行政が一体となり、宮古市廻来船誘致協議会を中心に事業に取り組んできているところであります。その主な内容は、北陸、北海道、いわき、八戸地区及び県内のさんま棒受網、沖合底引き網漁船の船主などへの訪問依頼及び水揚げ漁船乗組員への公衆浴場入浴料支援などとなっております。 廻来船誘致対策事業の実施内容につきましては、宮古市廻来船誘致対策協議会で方針を決定し、実施しておりますが、議員ご質問の海洋深層水氷利用への補助につきましても、今年度の協議会事業の中で、さんまの漁期に向けて補助の方法等を検討し、試行的に実施していくことしており、今年度の状況を見ながら来年度以降の有効的な実施方法を構築していきたいと考えているところであります。 続きまして、津軽石川に淡水魚やさけの遡上を観察する水中観察室の建設についてのご質問にお答えいたします。 津軽石川は、改めて申し上げるまでもなく、全国に先駆けたさけの増殖の歴史を持つとともに、その精神を現在に受け継いでおり、また全国に誇るさけの遡上する川として知られているほか、さけの遡上が最盛期を迎える厳冬期には、水辺に羽を休める白鳥を初めとする多くの水鳥の姿も観察できるなど、観光の素材としてその可能性は高いものと考えております。また、水中観察体験をすることにより、生物や自然環境に対する関心を高め、遡上や産卵風景を見ることにより命の営みに思いをめぐらすことは、特にも幼少期における重要で貴重な情操教育になるものと思います。 ご提言の水中観察を行うための施設は、河川法により直接河川敷、堤防等に影響を与える工作物は設置できないことから、河川敷に魚道など天然河川を模した施設を整備し、さらに地下に観察室を整備する必要があります。加えて、観光施設として誘客を図るためには、附帯施設や集客施設の整備が必要となり、これらの施設整備やその維持管理には多額の費用が見込まれるところでございます。 しかしながら、津軽石川は、その歴史やさけの遡上風景、そして天然魚類の生息など、未来に引き継ぐべき貴重な自然財産と認識しておりますので、現在行っておりますさけ稚魚壮行会などに加えて、遡上の様子をおさめた映像等の資料を通じて、さけの生態について児童・生徒への学習機会をふやしてまいりたいと考えております。 これと並行して、この財産を守るため、津軽石さけ繁殖保護組合、宮古漁業協同組合を初めとする関係団体等と協議しながら、自然の大切さや命の大切さについて周知を図ってまいります。 以上、答弁といたします。
○議長(三上敏君) 祝田
上下水道部長。
◎
上下水道部長(祝田健二君) 私からは、平成19年度から導入予定の市町村設置型浄化槽に係る排水路の未整備地域の施策についてお答えいたします。 市街地を除いた地域では、浄化槽を設置する際の一番の悩みは、放流先が確保されないことです。また、岩手県においては、宅地内の浸透式は許可されていない実情にあります。このことも含めまして、市町村設置型浄化槽の計画施設規模等を把握するために詳細な戸別意向調査を5月に実施し、現在、回収及び集計を行っているところでございます。その調査結果を踏まえながら、事業計画、投資計画、財政計画などの財政見通しを立て、生活排水処理基本計画を策定する予定でございます。 議員ご質問の排水路の未整備地域につきましては、昨年10月の住民懇談会及びことし5月の住民説明会におきましても、放流先の問題が多く出され、一時放流先がない、あるいは放流先までの延長が長いなどの意見が大半でございました。これらの問題を踏まえまして、現地調査による状況確認を行い、関係課及び各総合事務所と協議し、その中で道路改良等の整備計画のある地域、既に水路等が整備されている地域を除きまして精査したところ、排水困難な地区は、旧宮古市で6地区、旧田老町で1地区、旧新里村で1地区の合わせて8地区で放流先を確保する必要があることがわかりました。また、排水が困難な世帯は、おおよそ263世帯で、全世帯数5,000世帯のうち5.3%の割合になっております。 議員ご承知のとおり、市町村設置型浄化槽の対象地区が広範囲なことから、排水路の未整備地区も各地区に点在しているため、先行投資的な整備は難しい状況にあります。今回の戸別意向調査の状況を見て地域の需要を把握した中で、側溝、あるいは管路で整備するか、地域の調査の実情を踏まえた効率的な整備手法を検討し、整備方針、整備計画を決定したいと考えております。 以上、答弁といたします。
○議長(三上敏君) 中嶋榮君。
◆27番(中嶋榮君) それぞれの質問に対して、市長を初め
市民生活部長又は
産業振興部長、
上下水道部長からご答弁をいただきました。大変ありがとうございます。 なかなか質問どおりにはいかないというのが実感でございますが、再度、自席より質問をさせていただきます。 まず最初に、
住民基本台帳カードの利活用についてでございますが、機を同じくしたかのように岩手県におきましても、6月9日付の岩手日報に掲載されてございますが、住基ネットの事務拡大を図っていきたいという見出しで出てございました。今までこうして見てみますと、住民の利便性のために、利活用のために、身分証明書的なものだけでございまして、それが普及率を低下させているのかなと思ってございます。総務省もその点におきましては同じような考え方を持っているようでございますが、そのために空いている箇所を利用して、いろいろな国民又は県民、市町村民の利活用を図るために、いろいろな考え方を持ち合わせているようでございます。 これを宮古市が発行しても利用する方々が少ないというのであれば、発行した意味がございませんので、もっともっとこれを便利に使えるように、この範囲の拡大を図る必要があると。そのためにもいろいろ、岩手県におきましても水沢とか紫波町とか先進的なところは、この利活用が図られておるように思います。少なくても、この普及活動を図るというのではなくして、この住基カード、ICカードが本当に土曜、日曜、祝祭日でも使えるというのであれば、市民の皆さんは大いにつくってこの活用をしていただけるものと、私はそういうふうに思ってございますので、私もつくってございます。普及を図るのではなくして、こういうものにも、こういうものにも、こういうものにも使えますよという利活用の拡大、範囲の拡大というのが先決ではないのかと、私はそういうふうに思ってございます。 少なくても、証明書自動交付機を利用して住民票の写しとか印鑑証明及びその他の証明書を受け取ることができるというような、証明書等の自動交付サービス、こういうものも必要であるし、また、窓口で証明書の交付を受ける際に必要となる申請書等を自動的に作成できる又は印刷することができるというように、申請書の自動作成サービス、こういうのも考えられます。 また、住民用の端末や自宅のパソコンを利用して自分の健康管理情報を照会できるという健康管理情報照会サービス、また、事故及び急病等で救急医療を受ける場合、この住基カードにあらかじめ登録した本人情報によって、例えば救急車での連絡先の確認ができるという救急活動支援サービス、こういう面にもまた利用できる。そのほかに、避難先で避難者の情報などを登録することができる。これによって家族などの利用者の避難先を、又は避難者の避難先を把握できるという避難者情報サービス、こういうものもできますし、また、公共施設予約サービス、これもできるし、それから図書館等のサービス利用、こういうものにもこの住基カード、ICカードが使われておる。このほかにもたくさんございます。宮古は宮古独自でこの利活用の範囲を拡大できれば、もっともっと利用者が利用できるものと、私はそういうふうに思ってございます。 一方的にお話しいたしますが、この中でも一番私はやってほしいのは、この自動交付機と、それから避難者のために使えるサービスをやっていただきたい。というのは、30年間の間に22mの津波が来るということが想定されておるわけでございますので、新潟県の柏崎市におきましては、こういうことがもう確立されて、特許出願が出されてございます。株式会社柏崎情報センターが避難者確認システムを開発して、その実証実験がこの10日に行われたと。これは昨年の11月10日に行われたのです。同市の原子力防災訓練の中で実施されたわけでございますが、住民基本台帳などを使って、避難所にいることを家族等にメールで通知することができる、そういうふうな開発をしてございます。システムは非常に簡素で簡単で、ノートパソコンとカードリーダーを各避難所に置いてネットワークにつなげるだけで、同市の場合、地域インフラネットを導入済みでございますので、すぐ、だれがどこの避難所に入所したか、又は退所したかわかる。入るときは、これを掲げれば自分の個人情報が入るわけ、それで、どの場所に何時何分に入ったかというのもわかりますし、また、その避難場所を退所する場合も、この住基カードを掲げることによって、何時何分にその避難所を退所したとする。 特に私は、災害時は、電話や、また携帯電話、そういうものがパニック状態になって連絡が非常にとりにくいというのを経験してございますので、そういうものの避難者に対しても、また家族又はご親戚に対してもすぐにそれが対応できるようなシステムの構築というものが必要ではないかなと、私はそう思うから、この住基カードの利活用についてのご質問をさせていただいたわけでございます。 今るる述べましたが、感想でもいいし、積極的にやっていきたいということであれば、ご答弁を、市長、危機管理監、ひとつお願いいたします。
○議長(三上敏君) 中屋危機管理監。
◎危機管理監(中屋鋭彦君) ご指名ですので、私の方から。 確かに避難者の動向把握については、今、中嶋議員ご提案の部分については大変有効ではないかなと思います。将来的にそういうものができれば、避難所の収容担当、あるいは本部への情報もスムースに流れて、全体の避難者の把握ができると、こう思っております。 今のご提案は今後の参考にしたいと、こう思っております。
○議長(三上敏君) 中嶋榮君。
◆27番(中嶋榮君) ありがとうございます。ぜひ参考して実行できるようにやっていただきたい。 いま住民台帳も作成中でございますので、それにあわせていろいろなものの利活用ができるようなご検討をして、そしてなおかつ、住民のサービスに対して向上していけるというような利用方法を図っていただきたいと、そのように思いまして、次の質問に入らせていただきます。 まず、廻来船の深層水氷の補助、制野
産業振興部長からご答弁をいただいたわけでございますが、消費者のニーズは日ごとに加速してございます。国内の水産物に対する潜在的な需要は高く、その中で施設性、また高鮮度、高品質の要望も強く、流通業界からも産地化、高鮮度ブランド商品の開発に対する要望も多く聞かれている昨今でございます。 そこで、漁獲時点から鮮度向上の効果と食生活に安全・安心をねらいとして製氷されたのが深層水氷であるわけでございまして、水揚げされたさんまを、普通氷と深層水氷を入れて冷蔵庫の温度を1.4℃から1.8℃くらいに保って実験をした結果がございますが、それによりますと、深層水氷を利用したさんまは、9日間、K値が20%維持できると。また、普通氷の方は4日間、K値20%を維持したと。ここに約5日間の差がございますが、この深層水氷は、海底1,000m近くからくみ上げている水で、栄養塩類の多い海水でございますが、食品の安全性から言われましても、別な鮮度のいい薬品というんですか、そういうものは使っていないとは思いますけれども、宮古のブランド品として、この水産物の鮮度又は味、単価等におきましても、宮古の市場に水揚げされた海産物、魚介類は鮮度がよくて安いというようなものであっていただきたいと。そういうためにも、率先してこの深層水氷を使う必要があると。 私は、特に、廻来船の方々が宮古港に入るわけでございますが、水産都市において宮古において、水揚げ量又は水揚げ金額においても50%以上を貢献している、多大な寄与をしていると。そういう意味において、多分1,000円くらいの差しかないわけでございますけれども、それらを宮古市が補助することによって廻来船が入ってくるのであれば、これはそれ以上のことはないと、私はそういうふうに思うから、このところはその深層水氷を全部使わせて宮古市も補助したらいいのかなというふうな立場から、このような質問をさせていただいたわけでございます。 ちなみにK値20%といいますと、刺身で食べる限度でございます。これが20以上になりますと、刺身としては不向きなのかなという基本的な数値でございます。これは簡易的に調べる方法もございますし、ぜひ宮古の鮮魚に対しては、全国的に宮古のものであれば安全・安心に食べられるというようなブランド商品として名をはせるにおいても、こういう自然のものを使った方が、私は、食べる方にとっても安全で安心だと思うからでございます。そういう意味において、ぜひご協力をお願いしたい。 市長さん、今、このK値の問題とか廻来船の金額とか数量においては、ご存じだったのでしょうが、今後どういうふうにお考えをしていきたいのか、お伺いをいたします。
○議長(三上敏君) 熊坂市長。
◎市長(熊坂義裕君) 廻来船誘致につきましては、議員お話しのとおり、宮古の魚市場におきまして、多いときは半数、あるいは6割近くまでいくときもあります。今般は、さんまの値段がちょっと安かったので半分ということになりましたけれども、宮古の魚市場の活性化のために、廻来船誘致はもう欠かせない事業でございまして、私も、毎年というわけにいかないのですけれども、いわきの船主さん初めあるいは漁労長の皆さんのところを回りながら、この廻来船誘致に努めているところでございます。 また、港に水揚げをしていただいた場合に、入浴券とか、あるいは最近ではタラソテラピーがあるということが大変、乗組員の皆様方に評判になっていると聞いておりますが、宮古に水揚げしていただいた場合に、そういったサービス、それから休憩等につきましてもさまざまなメリットがあるということを訴えながらやってまいりました。 この海洋深層水氷につきましては、議員がお話しのとおり、確実にこれは効果がございますので、そういったことを考えますと、この補助を幾らまでできるかというのは予算との絡みがありますけれども、有力な宮古に水揚げをしていただく手段になると考えておりますので、努力をしたいと思います。
○議長(三上敏君) 中嶋榮君。
◆27番(中嶋榮君) ありがとうございます。ぜひそのようにお願いをしたいと、そう思います。 さけの日本一で知られます津軽石川のことでございますが、先ほどは冒頭に水中観察室の建設を試みてはどうかというご質問をいたしましたが、その前に壇上でもお話したご質問の中に、この文面の中にありましたが、津軽石川は本州随一のさけ遡上の河川であるということを認識していただくためにも、こういう宣伝効果を上げる看板とか、又は横断幕とか……それがないわけなのでございます。だから、まず最初にこの辺を、立て看板、もしくは横断幕、両方から見えるようなものの設置をしていただきたいと思うのでございますが、その点についてお伺いをいたします。
○議長(三上敏君) 小笠原観光課長。
◎観光課長(小笠原昭治君) お答えいたします。 議員おっしゃるとおり、津軽石の45号沿いを南下、北上いたしましても、あそこの川ざけを処理しているところは、季節的にはあそこでそういった作業をして、注目をされる方はございますけれども、あそこの河川が本州一さけの遡上があったという、現在も上位にあるわけでございますけれども、そういったものを案内する看板は、確かにございません。これは今後、その設置方法、場所等については検討してまいりたい、このように考えます。 以上でございます。
○議長(三上敏君) 中嶋榮君。
◆27番(中嶋榮君) ぜひご検討をいただきまして、実現できるようにお願いをしたいと思います。 北海道又は本州を含めて水中観察室は、北海道に2カ所、それから新潟県に1カ所ございます。私も一昨年、同僚議員と千歳川を視察させていただきました。その際、「サケふるさと館」に併設されて、そして水中観察室が、アクリルガラスを使って自分の目線で見る、そういう施設がありまして、非常に感服をしてきたわけでございますが、何も宣伝するわけではございませんが、中はこういうふうになり、上から見ますと、航空写真でございますが、こういうふうに、後でご関係の方々にはお見せいたします。 こういうものがありますと、あそこは9月から11月の初旬でさけの遡上は終わりますけれども、津軽石は9月から2月ごろまで上がるのです。この5カ月間というのは、こういうふうな施設を持つことによって、観光客の流入、又は生徒さん方、又は一般の方々にも、さけはこうして、口を開いて、こういうふうな形で遡上するんだと、そういうふうな実地体験が非常に必要だ。そういう意味においても、生きたものを、今後の宮古市を背負って立つ子供たちのためにも、社会教育として必要ではないかという思いから、この質問をさせていただきました。 いま河川法がどうとか、そういうことがお話しされましたが、関係諸団体でまずご議論をしていただきまして、どういう方法が効果的なのか、また水中カメラを使っての観察方法も簡易的なものであるわけでございますので、それらも含め、今後、振興局、宮古市、漁協さん、観光協会等々を含めましてご検討をいただきたいなと、私はそういうことでボールを投げさせていただきますので、その辺、よろしくお願いをいたします。 最後になりますが、市町村設置型、先ほど凍上災害のことは6,800万程度と。私、大いに期待を持っておったわけでございますけれども、いろいろな制約があったようでございますので、納得しました。 それはそれとして、市町村設置型処理浄化槽のことでございますが、先ほど部長の方からは、排水困難な地区が8地区あると、そのほかに排水困難な世帯が262世帯とお伺いしたのですが、それは排水困難な地域が何世帯と同じなのですか、排水困難な地区8地区というのは、どういうふうにして排水困難な地域なのですか、まずそこをお伺いいたします。
○議長(三上敏君) 祝田
上下水道部長。
◎
上下水道部長(祝田健二君) 先ほど旧3市町村を合わせまして排水困難な地区については263世帯と申し上げましたが、その内容なのですが、現実的に現状で放流先がない地区が、旧宮古市赤前地区、藤畑、駒形通地区、それから払川地区、田鎖地区、これを合わせまして165世帯ですし、旧田老町の場合は、摂待地区、これはまず排水困難な地区ということ、あとそれから旧新里村はございませんが、合わせましてこの放流先がない地区については200世帯と。それ以外に、実際、放流先はかなり先にあるのですが、いわゆる放流先までの延長がかなりの距離があるという部分が、旧宮古市が主なのですが、大体これは63世帯と。合わせまして、実際に放流先がない地区、それから放流先はあるけれどもかなり放流先まで遠いという地区、合わせましてこれが全体で260世帯と、我々の方では一応、おおよそですが現地確認はしております。
○議長(三上敏君) 中嶋榮君。
◆27番(中嶋榮君) よくわかりました。 昨年、住民懇談会、またことしの5月の住民説明会において、一時放流先がないと、また放流先までの延長が長いというご意見が多く出されまして、仮に排水路未整備地域に排水路を築造したとしますと、大体延長何km、また金額にしてこの築造費用というのは幾らになるのかお伺いします。
○議長(三上敏君) 祝田
上下水道部長。
◎
上下水道部長(祝田健二君) 旧3市町村の8地区に係るこの排水路の未整備、延長にして大体、およそですが、5,600mぐらいと。そして、この整備にかかる費用ですが、概算なのですが、おおよそ1億3,000万程度と予想してございます。
○議長(三上敏君) 中嶋榮君。
◆27番(中嶋榮君) ありがとうございます。 岩手県におきましても、先ほどご答弁をいただいたのですが、宅地内の浸透式は許可できない。現在浸透式でやっているところもあるのですが、これは新規にできないということですよね。
○議長(三上敏君) 祝田
上下水道部長。
◎
上下水道部長(祝田健二君) この浸透式については、現実的に未処理汚水は認めて、そして処理した水は認めないという、岩手県のこの施策といいますか、その辺は我々も疑問は感じておることは事実でございます。はっきり申し上げまして、なぜそういうふうな部分なのか、例えば他県においてはそういう浸透式は許可している県もございますが、ただ、いろいろお話を伺う中で、明快な答弁がなかなか引き出せないというふうなことが実情でございます。
○議長(三上敏君) 中嶋榮君。
◆27番(中嶋榮君) 合併浄化槽を設置したいという住民も多くある中で、排水路がないので設置は困難としたら、今までの個人設置型と何ら変わりはないのかな、普及も図られない、私はそういうふうに思うからでございます。 公共下水道又は漁業集落、農業集落、今まで事業をしてこられましたが、これらの事業に関して、1世帯当たり300万から大体1,100万を超える、工事当たりにするとそういう費用がかかっておるわけでございまして、仮に周辺地域5,000世帯、この中の40%としますと、2,000世帯が市町村設置型に移行したいということになりますと、そうするとこの1億3,000万というのは、大体世帯当たり60万から65万くらいになるのかなと、ちらっと概算ですけれども。そうすると、大体、公共下水道の4分の1、もしくは農業集落、漁業集落の16分の1くらいでこの排水路が設置できるということになるわけでございまして、その点もあわせてお考えいただいて、できる限り、この宮古市が推進しようとしている市町村設置型の合併処理浄化槽の推進を図っていただきたいと、私はそういうふうに思いまして、質問を終わります。
○議長(三上敏君) 暫時休憩いたします。 午後1時58分 休憩 午後2時05分 再開
○議長(三上敏君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、15番、加藤俊郎君に質問を許します。 加藤俊郎君。 〔15番 加藤俊郎君登壇〕(拍手)
◆15番(加藤俊郎君) 私は、市政全般をカバーするような大局的な観点からの質問ではございませんので、昼過ぎの睡魔を吹き飛ばすような、そういうわけにはいかないかもしれませんが、市政の個別領域2項目7点にわたりまして、順次、通告書に従いまして市長にお伺いをいたします。 1項目めは、税務事務のうち市税収納についてであります。 市町村の税務課の仕事であえて比較すれば、課税事務より収納事務が重要であると私は考えております。国税である所得税が確定することによりまして、自動的に市民税、あるいは国保税は決まってまいりますし、また軽自動車税につきましてもそのとおりでございます。市税を確実に納めていただくことが市財政の健全化に直結いたしますし、また、納税の義務を果たすことによって、協働の
まちづくりには欠かせない市政への参画意識の高揚を促すとも考えられるからであります。 そこで、具体的にお伺いをいたします。 平成17年度の出納閉鎖が済み、市民税、固定資産税、軽自動車税及び国民健康保険税の収納状況はどうでしょうか。未納者に対してはいかように対応しておるのでしょうか。収納事務の流れなど、督促実態、現在の経済状況下での収納の見通しと対策についてもお伺いをいたします。 年度末を控えまして、田老地区の納税組合長を招集しての説明会の結果、17年度をもって解散した組合が田老地区は多いと聞いております。たしか1地区しか残らないというふうに聞いておりますが、納税組合のあり方等についてもご見解をお伺いいたしたいと思います。 次に、田老地区の街路灯に関してお伺いいたします。 田老地区の大平地区旧国道に沿ってと、それに続いて国道45号線に沿って、荒谷地区まで80基の街路灯が設置されております。合併に伴って宮古市の所有になっておると考えますが、市長は街路灯施設についてどのように認識しておいででしょうか。 合併協議会では、街路灯整備事業として、事業年度としては18、19年度の2カ年、事業費9,000万円で134灯整備することが
新市建設計画に盛られておりましたが、宮古市総合計画の前期実施計画にも盛られておりますでしょうか、確認いたしたい。もし計画にないのであれば、外した理由についてお伺いをいたしたいと思います。 田老町では、田老町街路灯管理組合と街路灯維持管理業務委託契約を結び、設備の保守、補修、毀損及び不良器具の交換、電気料金の支払いをしていただいてきておりました。新市になってこの契約は引き継がれているのでしょうか。また、街路灯管理組合は、加入要件である商工会員が減って、現在では商工会議所の会員ということでしょうか、収入も減少しており、さらにあわせて施設の老朽化が激しいこともあって、契約の履行に責任を持てないというふうに判断いたしまして、契約内容の見直しをご提案していると聞きましたが、このことについて市長のご見解をお伺いいたします。 それから、当初予算審査の際にお聞きすればよかったのでしょうが、見落としてしまいまして、ここでお伺いしますが、予算書の7款対応でしょうか、8款でしょうか、田老町街路灯管理組合への委託料、電気料金への一部補助というふうに理解しておりますが、それはいかほど計上されておりますか。 以上、2項目7点についてお伺いいたします。 あと必要に応じて自席から再質問をお許し願いまして、壇上からの質問を終わります。(拍手)
○議長(三上敏君) 熊坂市長。 〔市長 熊坂義裕君登壇〕
◎市長(熊坂義裕君) ただいまの加藤俊郎議員のご質問のうち、私からは市税収納についてのご質問にお答えいたします。 税収確保につきましては、全国的に税の収納率が低下してきており、各地方自治体がその対策に苦慮しているところでございます。当市における市税の収納状況につきましては、議員ご指摘のとおり、5月31日をもって出納閉鎖をいたしましたが、平成17年度現年分の過誤納金処理等の集計作業がまだ一部残っておりまして、確定値はまだ出せない状況ではありますが、速報値でお答えを申し上げます。 平成17年4月から6月までの旧宮古市、旧田老町、旧新里村を加えた平成17年度の市税の収納状況は、市民税が19億4,738万円、固定資産税が29億3,743万円、軽自動車税が9,206万円となっております。市たばこ税とその他を合わせた一般税の合計額は、53億5,136万円、収納率91.8%で、前年度に比較をいたしまして、おかげさまで合計額で3,773万円、収納率で0.4ポイントの増となっております。また、国保税の収納状況は、20億5,121万円、収納率77.1%で、前年度に比較して合計で272万円の減、国保税もおかげさまで収納率で0.5ポイントの増となっております。 収納率が増加した理由は、市民の皆様のご理解のもとに、日ごろの収納向上対策が徐々に実を結んできたものと考えますが、今後とも自主財源の確保に向けまして力を尽くしてまいりたいと思います。 次に、滞納対策でございますが、滞納者に対しましては、納期限後20日以内に督促状を発布し、なお納付していただけない場合には、催告書、差し押さえ予告書を発送するとともに、電話、臨戸による催告を行っております。それでもなお納付していただけない場合には、呼び出し等により直接滞納者と面接による納付折衝を行い、滞納者の収入、資産、経済状況等を把握し、その生活状況等により一括納付が困難な場合には、分割での納付を認め、年度内完納をお願いしているところであります。 一方、長期にわたる滞納者や高額納税者に対しましては、短期間での完納を目指し、納付計画を提出していただくとともに、納付等に応じていただけない滞納者等に対しましては、財産等の調査に基づき預貯金、生命保険、不動産等の差し押さえを行わせていただき、税収の確保に努めているところであります。 次に、収納の見通しでありますが、議員ご指摘のとおり、現下の経済状況の中では、今後、収納率の大きな向上は見込めないところでありますが、今後とも滞納者と粘り強い折衝を続けるとともに、差し押さえ等の滞納処分にも努めながら鋭意努力してまいりたいと存じます。その他の質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。
○議長(三上敏君) 畠山
総務企画部長。 〔
総務企画部長 畠山智禎君登壇〕
◎
総務企画部長(畠山智禎君) 私からは、納税貯蓄組合の状況につきましてお答え申し上げます。 平成18年4月1日現在の納税貯蓄組合数は103組合で、前年度に比較して38組合の減少となっております。また、組合加入世帯数は3,688世帯で、全世帯の16%の加入率となっております。 田老地区の納税貯蓄組合の状況でございますが、平成18年4月1日現在の納税貯蓄組合数は10組合で、前年度に比較して29組合の減少となっております。組合数が減少した主な要因といたしましては、後継者不足により組合の存続ができなくなったことなどが考えられるところでございますが、納税貯蓄組合が取り扱う市税の20%は当市にとって貴重な財源となっておりまして、納税貯蓄組合の減少は、税収の確保に少なからず影響を及ぼすものと考えております。 今後とも納税貯蓄組合の育成、存続に向けまして支援をしてまいりたいと存じます。 以上、答弁といたします。
○議長(三上敏君) 大棒
田老総合事務所長。 〔
田老総合事務所長 大棒賢作君登壇〕
◎
田老総合事務所長(大棒賢作君) 私からは、田老地区の街路灯についてのご質問にお答えをいたします。 最初に、街路灯施設についてはどのように認識しているかとのご質問でありますが、田老地区の街路灯は、商店街の活性化を図るという趣旨で、当時の商工団体の要請により旧田老町が昭和60年に整備し、現在にいたっております。整備後20年余りを経過し、老朽化が進んでいることは承知しております。街路灯の果たす役割は、商店街の活性化はもとより、地震発生時の避難等の防災、交通安全や防犯の面においても大いに役立っており、今後も適正な維持管理をする必要があると考えております。 次に、街路灯については、専門業者による点検を行ったところ、配線や電圧安定器及び灯具等を改修することで十分に機能を維持できるとのことから、これらを整備する方向で検討しております。このことから、街路灯整備事業は、現在の総合計画には計上してございません。 また、街路灯の維持管理業務は、これまでどおり委託契約を締結し、管理組合にお願いしたいと考えております。しかし、維持補修、機器の交換に係る費用負担区分につきましては、管理組合と協議をしてまいりたいと思っております。 最後に、委託料でありますが、今6月議会定例会に予算計上をする予定であります。 以上、答弁といたします。
○議長(三上敏君) 加藤俊郎君。
◆15番(加藤俊郎君) ありがとうございました。 それでは、ただいまの答弁に対しまして再質問をさせていただきますが、まず、市民税、固定資産税、軽自動車税合わせて91.8%の収納率見込みというふうにお伺いしたのですが、軽自動車税についてはどういった状況なのでしょうか。 また、国民健康保険税の収納状況が、0.5ポイント増というふうに先ほどお聞きしたような気がしておりますが、その要因についてはどうだったのでしょうか。経済情勢が、市長の認識は、よくない中でというようなお答えだったような気がしますが、そういう中で0.5%の増というのはどういうことであったのかということ。 それと、未納者への対策についてでございますが、私はずっと前から、宮古市のこの未納者対策は問題があるように感じておりまして、宮古市構造改革実施計画の中に、簡素で効率的な市役所をつくるためというようなことでるる未納対策がありますが、収納率向上のための推進施策概要、収納推進室を設置し、収納向上体制を確立する。納期内の納付を図るため、広報等で納期を周知する。口座振替の普及を図る。納税者の利便を図るため、休日、夜間の納税相談室を開設、コンビニにおける収納を20年度までに実施目標。こういったことをうたっております。それで、推進年度計画におきましては、平成17年度でもってずっと、同左、同左、同左で22年ですか、その辺までずっといくということで、これを見ますと、どれも私から見れば待ちの姿勢ということで、職員出向いての滞納を解消する、それから納税をお願いするというような姿勢が私には見えない。やはり職員みずから出向いていって納税のお願いをする、あるいは先ほどの答弁にございましたが、納付計画の提出につきましても、役所に来ていただいてつくるのではなくて、出向いていってその家庭の状況等を見ながらつくるというのは、それが有効な計画書づくりになろうかなと思うのですが、その点につきましてのお答えをいただきたいと思います。 以上、2点ですが、お願いします。
○議長(三上敏君) 大久保税務課長。
◎税務課長(大久保康雄君) それでは、お答えいたします。 まず、軽自動車ですけれども、軽自動車税の収納状況は、現年分が97.3でマイナスの0.2、過年度分が24.2でプラスの0.7、合計で93.6、0.7の軽自動車税はマイナスとなっております。 国保税がプラスになりましたけれども、要因としましては、日ごろからの担当者による滞納者の実態調査と納税相談の地道な努力によるものではないかというふうに思っております。 あと収納推進の対策としましての部分でありますけれども、納期内納付として口座振替の推進ということで、今年度は納税通知書の中に納税通知書と同じ大きさの口座振替の申し込み用紙等を同封して、口座振替の利用促進に努力しているところでございます。 あと、休日、夜間の納税相談ですけれども、毎年、休日と夜間に相談と、あと納付の窓口を開設しまして、休みでなければ納められないとか、あるいは夜でなければ納められないというような苦情もありますので、そういう方たちの対応とともに、今年度は7月ですけれども、田老の総合事務所、新里の総合事務所でも休日と夜間の窓口の方を開設していきたいというふうに考えております。 あと、職員が出向いての対応ということでありますけれども、基本的には納期内に納めている人たちはご自分で納めていますので、対応なさっている方たちについても、役所の方に来て納めるか、あるいは分割で納める場合には分割の納付書の方をお送りしていますので、金融機関等で納めていただくような対策をとっております。 以上です。
○議長(三上敏君) 加藤俊郎君。
◆15番(加藤俊郎君) 北海道の方のある市では、民間で言えば、いわゆる債権機構的な組織を広域でもって設置して、滞納者へ納税を促していると、そういったような組織もあるように聞いております。その中で、宮古市では依然として待ちの姿勢ということで、私は非常に残念なのです。 それで、合併したて、現在もそうだと思うのですが、職員の配置は多分税務課が多いように記憶しておりますが、それは最初、私は、税務課の職員がやけに多いなという感想を持っておりまして、それは出向いての督促事務をさせるのかなというような感じがいたしておりましたら、実はそうではなくて、デスクワークの方が多かったのかなと思っております。 91.8%というこの納税率をどういうふうに評価するかなのですが、やはりこれは健康保険税の91.8%もそうなのですが、ペナルティーのラインである92%を切るということは、やはりこれは非常に問題がありまして、この92%以上を確保する、それから市民税、固定資産税についてもしかりでありますが、殊にも軽自動車税の物があるのに対しての97.3%については、これはもうちょっと高い率であってもいいのかなと。金額的には大したことはないと思うのですが、物がある中でのこれは税金でありますので、100%になるべく近づけるようにしていただきたい。市税の91.8%、あるいは国保税の91.8%、これは多分、全国的に見ても高い数字ではない、同規模の数字から見れば決して高い数字ではないと、そのように私は考えております。 それで、今までどおりのやはり対応は反省すべきだと思うのです。出向いての納税のお願い、そうすることによってもらえる金もあるかと思いますし、また、そうすることによって市民の方々も市民として当てにされているという意識も生まれてくるし、憲法でうたわれている納税の義務をきちっと説明いたしまして収納に努めていただきたいと思うのですが、この91.8%のご感想をもう一度お願いしたいと思います。
○議長(三上敏君) 熊坂市長。
◎市長(熊坂義裕君) ただいま加藤議員が待ちの姿勢というお話をされましたけれども、私どもの意識の中では、常に攻めの姿勢、収納に攻めの姿勢という言い方は正しくないのかもしれませんけれども、市民の義務ということで、私たちはその納税していただくという観点に立ちまして、かなり攻めといいますか、厳しい対応をしてきたつもりでおります。 そのことが今回、収納率の増につながったわけですけれども、91.8%、そして国保におきましても、まだ結果は出ておりませんが、ことしは国保のペナルティーがかかる92%をクリアできるのではないかというふうに思っておりますが、このことに関しましては、同規模の市町村、あるいは県内の市町村と比べますと4番、5番ぐらいのところになるのではないかと思います。これは宮古市におきましては、かつて最下位をずっと続けたと、今から10年前ですね、そういう歴史がありますので、特に沿岸県北に関しましては経済状況は厳しいということで、軒並み沿岸県北の市は宮古市よりも低い傾向にあります。その中におきまして、そういう4番、5番ぐらいのところをこういう経済状況で維持できたというのは、もちろん市民の皆さんの納税に対するご理解が一番でございますが、私どももそういう努力というものをしたと思っております。
○議長(三上敏君) 加藤俊郎君。